最近、老化によって体の機能が低下しているテーマが多いブログですが(笑)、嗅覚だけは反対に敏感になっているのではないかと感じるこのごろです。
昨日の記事で、1990年代までは電車に乗るのもたばこの煙とにおいで大変だったことを思い出しました。
電車だけでなくタクシーもひどいものでした。
当時、3交代の勤務の病院に勤務していて、準夜勤(夕方から夜中まで)の際に終電に間に合わないとタクシーを使える事になっていました。
タクシー内での喫煙が当たり前だったので、その車内にしみついたタバコのにおいだけで車酔いの状態になり、タクシーで帰るのは拷問のような時間でした。
あの頃を思い出すと、本当によく耐えていたと思います。
最近は交通機関で直接の副流煙に悩まされることがなくなって本当に助かりますが、電車で近くに座った人のたばこのにおいだけで車酔いのように気持ち悪くなることが増えました。
以前はそこまでではなかったので、これはどうしたことだろうと考えています。
ひとつは、嗅覚が鋭くなったのかもしれません。
あるいはタバコのにおいに限定して敏感になったのかもしれません。
いずれにしても、においというのは客観的な測定方法がまだ生み出されていないようで、かなり「主観」に左右される感覚といえそうです。
お産の「痛み」を客観的に表現できないのとおなじように。
<主流煙より副流煙のの方が有害である>
wikipediaを読むと、1970年代に嫌煙という言葉とともに分煙・禁煙への動きが始まったようです。
「私はタバコのにおいが嫌です」「タバコのにおいで体調が悪くなります」ということをようやく言えるようになったのが1970年代だったのですね。
受動喫煙の害が話題にされるようになったのはもう少し後だと記憶しているので、最初は、「嫌だ」という感情から訴えるしかなかったのだと推測します。
その後、徐々に副流煙による受動喫煙の害があきらかにされて、「嫌」という感情や主観だけでない正当な理由が明確になり、分煙や禁煙の動きを加速させたのだと思います。
そしてタバコを吸う本人の健康被害ももちろんだけれど、吐き出される副流煙のほうが有害物質が多いということが言われるようになったのはここ10年ぐらいでしょうか。ちょっと記憶があいまいなのですが。
<副流煙だけでなく三次喫煙もある>
喫煙所にたくさんの人が集まっているのをみると、副流煙についても気にされて喫煙される方の方もいろいろと気を使われているのだろうと思います。
でも「たばこの煙が人にかからないように」だけでは不十分なことが次第に明確になってきたようです。
「受動喫煙への暴露と健康への被害」という資料の「8.サードハンド・スモーク(Thirdhand Smoke)の概念(p.140)に書かれている三次喫煙です。(直接リンクできないので上記名で検索してみてください)
喫煙者のいる室内壁や衣類、カーテン、髪の毛・埃には、タバコ煙の成分が付着し残留している。タバコ煙が消失したようにみえても、それらが汚染源となり、タバコの有害成分にさらされることを、サードハンド・スモークという。
たとえば、歩きタバコをしている人の近くを歩くと、煙はないのににおいは20m近くまで感じます。
あるいは家にいてもどこからかたばこのにおいが漂ってくる事があります。
においがあるということは、有害物質が存在していることになります。
電車でタバコのにおいがする人が側にくると吐き気と頭痛がしていたのは、単なる感情の問題ではなかったということだといえそうです。
ただにおいというのは主観的なものなので、客観的な数値として表示できるような機械がないかぎり、なかなか相手を納得させるのは難しいものがあります。
それでもここまでタバコの有害物質についてさまざまなことがわかった現在、喫煙によって衣服等についた有害物質を除去するような装置のついた場所でのみ喫煙できるようするなど、吸わない人への暴露を減らす対策が次の流れになるのかもしれません。
「分煙の誤解」に書かれている「ある場所でだけ放尿を許されたプールのようなものである」(p.146)は、本当にそうだと思いますね。
たばこに関する記事のまとめはこちら。