たばこのにおいと感情で書いたように、たばこのにおいは客観的な方法でその程度を示すことができないので、議論も感情的な部分での応酬になりやすいのかもしれません。
ここ20年ほどで分煙や禁煙が進み、喫煙される人のマナーも格段によくなり周囲を気遣っている様子も感じられるので、できるだけ喫煙について感情の部分で反応しないようにしようと思っていてもやはりイラッとしてしまうのはなぜだろうと考えています。
私自身は一度もタバコを吸った事がないのであくまでも想像ですが、吸っている人の行動を見ると「煙が相手にかからない」ことを気にされてはいるようです。
ところが、吸わない人やタバコが苦手な人にとっては、においが気になっているわけで、このたばこのにおいは煙の範囲よりかなり遠くにまで達しているし、時間的にも長くにおいが留まることがいやなのです。
たとえば歩きタバコをしている人の後ろを歩く時には、風向きによっては20mから30mぐらい離れてもまだにおいが残っています。
家の中では吸わないように言われているのか、ベランダや非常階段で喫煙している人がいますが、そのにおいが家の中まで入ってきます。
あるいは、駅周辺の禁煙は徹底されているのですが、おそらく駅構内の乗務員向けの喫煙所からだと思いますが、改札付近ににおいが立ちこめることがあります。
煙もないところで、いきなり不意打ちのようにたばこのにおいをかがされる。
私にとってイラッとする大きな理由です。
それが一日に何度もあるわけです。
でも「煙」という目に見える状況がないので、結局はにおいに対する個人の好き嫌いや寛容度の話で終わってしまうのではないかと思います。
<けむりとにおいの境界を客観的なデーターにできれば>
JTもマナー向上の呼びかけをしているようですが、内容をみると「たばこを吸う私も、人の煙はごめんだ」「煙が人にぶつかっている」「煙の幅は体の幅よりぜったい広い」のように、煙のことは書かれているのですがにおいについてはないようです。
JTのこうしたポスターを見るとイラッとするのは、やはりにおいに関してかかれていなかったからかもしれません(笑)。
たとえば、「歩きタバコをすれば煙は何mうしろまで残ります。においは何十mまで残ります」「ベランダで吸えば、においは何m、あるいは隣の家のどのあたりまで到達します」といったものを作ってくれればよいのにと思います。
また家の換気扇の下で吸った場合、そのにおいが室外のどこまで到達するのかも知りたいです。
ちなみに私の住んでいる集合住宅は各家庭の換気扇がどこかでつながっているのか、窓を閉めているにもかかわらず、突然室内にたばこのにおいがすることがありました。
台所の換気扇の内側からにおいが伝わって来ていたようです。
雨の日や湿度の高い日は、とくににおいが残りやすいような気がするのですが、そのあたりも検証してくれるとありがたいですね。
そして「そのにおいには、有害物質がどれだけ含有されてます」ということも。
このたばこのにおいの問題にたばこを売る側が本気で取り組まないから、喫煙者と嫌煙者の無毛な感情の応酬が続くのではないかと思います。
有害物質を含むにおいの到達範囲が客観的に示されれば、世の中は大きく変わらずにはいられなくなることでしょう。
売る側の責任として、是非お願いしたいものです。