「すみません」よりは「ありがとう」を。

今日もまだ道徳のようなタイトルですみません。


最近、両親の心身の不調があいついで、お世話になっている施設の方々に「お手数をかけてすみません」と頭を下げっぱなしです。
あるいは自分の勤務先にも、突然の勤務変更をお願いすることになるかもしれないので「すみません」を連発しています。


先日も一晩体調がすぐれない父のために、通常は一人夜勤のグループホームなのですが急遽二人体制で見守ってくださり、翌日入院ということになりました。
それでも「もっと早く対応したら良かったのではないか」とそのスタッフの方が心を痛めていらっしゃるということを伺って、その十分過ぎるぐらいの対応に、なんて仕事に真摯に向き合っていらっしゃるのだろうと感動しました。


私も30年ほど医療現場で働いてきて、緊急時の急な呼び出しや長時間の残業もありますが、そういう時にはなにか使命感のようなものがあります。
そして、それは苦痛ではなくむしろ充実感でもあるので、父を見守ってくださったスタッフの方々が自分の生活よりも父のために出勤してくださったお気持ちはそれに近いのだろうと思っています。


ですからこういう場合は、「すみません」よりはその仕事に向き合う姿勢に最大限の「ありがとう」のほうがふさわしいかなと思います。
いえ、ありがとうと言われることさえ期待していないほどの仕事に対する使命感なのかもしれません。
本当に頭が下がります。


そして「すみません」と表現すると、そこには「父や母が面倒をかけてすみません」のニュアンスになってしまうのですが、「ありがとう」だと「父や母を大切にして、責任を持った仕事をしてくださっていることにありがとうございます」ということを表現できますね。


誰のことも卑下することのない表現だと思えるのです。


ようやく最近になって、心から「ありがとう」といえるようになって来た気がします。
相手の状況なども見えるようになったからなのかもしれません。


そして「いつかは両親の介護に直面して大変だろう」と大きな不安を抱えていた時期に比べて、現実に直面した今はたくさんの方々に支えられお世話になって、「なんとかなるものだ」と思えるようになりました。
感謝、感謝の毎日です。
本当に世界のどこでも生きていけるかもしれません。


「すみません」より「ありがとう」と言い替えることで見える風景は違うような気がしています。