この数年ほどで、さまざまな資料館や博物館を訪ねています。
最初の頃は、都内や近郊の比較的大きな資料館だったので来館者もそれなりにいるような施設でした。
区立の資料館だと、たとえ規模が小さくても必ず他の来館者がいました。
はじめて館内にいるのがひとりだけ、しかも2〜3ヶ月とか来館者がいない資料館に行ったのが、2018年に倉敷を訪ねた時でした。
今思えば、あの時は地図で資料館を見つけたものの、「ど素人の私が行って良い場所なのだろうか」と、大げさでもなく意を決して訪ねたのでした。
来訪者の記帳を見ると、2ヶ月ほど途切れています。
私のためだけに館内の電気をつけてくださったことに、申し訳なさを感じました。
そして「毎日ほこりが積もらないようにお掃除している、それだけでいいのかしら」という管理人さんのお気持ちを伺った時には、たしかに訪れる人を長い間待つのは辛いかもしれないと、なんとも表現し難い気持ちになりました。
あれから2年ほど経って、今では「来館者は久しぶり」という資料館にも臆せず入っていけるようになりました。
むしろ、一人で静かに見ることができるので集中できます。
そして大切な資料を守ってくださることへの感謝も伝えられます。
川口歴史民族資料館でも、記帳を見ると最後の来館者は2ヶ月前でした。
資料館の案内を読むと、1978年(昭和53年)に建設されたようです。
「利用状況」では、平成30年度の個人利用が59人、団体は25になっていました。
管理されている方に声をかけると、にこやかに案内してくださいました。
ここもまた、きれいに清掃されていてほこりっぽさもありません。
どんな方がこういうお仕事を選ばれるのでしょう。
最近ではちょっと羨ましさを感じるようになりました。日がな、あれこれと資料を読んで、展示物を守ることに。
過去から現在の資料を残すことに責任を持って、その視線は一世紀後とか二世紀後に向いているのかもしれませんね。
来訪者の人数ではない、もっともっと大事な使命のような。
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