水のあれこれ 31 <雨と雪の境界>

暖冬だとほっとしていたら、やはりちゃんと冬がやってきました。
そしてこのところ週末になると雪の予報で、天気予報が気になります。


「暖冬の年は雪が多い」と覚悟していたのですが、少し前、NHKの天気予報士さんが過去の暖冬と雪のデーターを出して、「暖冬と雪は関係がなさそう」という説明をしていました。
そうか、「満月の日はお産が多い」と同じ認知バイアスだったのかもしれないのですね。


それにしても先週の、奄美大島や台湾でも雪が降ったニュースには驚きですね。


以前、東南アジアの友人を日本に招待した時に、雪や氷、霜柱に狂気乱舞の喜びだったことを思い出しました。
私は寒いのが嫌で縮こまっていたのですが、まるで「犬は喜び庭駆け巡り、猫はこたつでまるくなる」の様相でした。


雪とは話がずれますが、東南アジア出身の彼女は紅葉を知らなくて、遠くの山が赤くなっているのを見て、「山火事だ!」と驚いていました。
木々の葉の色が変化することが、彼女にはとても神秘的だったようです。


当時の私は、寒さのない東南アジアに戻りたくて、雪も紅葉にも心が躍らなかったのですが。


<雪と雨の境界線があった>


先週の大雪のあと、次の父の面会日をいつにするか、ずっと週間天気予報を気にしていました。


最初は1月23日(土)に予定していたのですが、どうやら雪が降りそうです。雪の程度によっては、病院までの坂道を歩くのも危険なぐらい、父が暮らしている地域は雪が多いところです。



その地域はすり鉢状になった地形の低いところに市街地があるのですが、そこから山の方へ登るに従って、ぐんぐんと標高が高くなります。
高校生まで住んでいた家は標高の高い方にありました。


おもしろいのは、家の周囲ではかなり雪が降っていても、バスで市街地へ下って行く途中のある交差点から下は、雪の降り方がぐんと減ったり、雪から雨に変わることがしばしばありました。


私にとって雪と雨の境界線のような場所でした。


通っていた高校には、もっと海側の暖かい地域から通う生徒もいたのですが、雪の日の服装が家のある標高によって差がでました。
暖かいところから通学する人は軽装ですが、山側からの生徒は重装備です。


当時はまだ今のように地域別の詳細な天気予報はありませんでしたから、朝起きて雪が降っていると、その日に長靴を履くか普通の靴にするかは賭けのようなものでした。
あの交差点から下では降っていない可能性もありますからね。


軽装の同級生に混じって、自分だけ長靴という事態は避けたい。
そんな乙女心を悩ます、雪と雨の境界線がある地域に生活していました。


日本や世界のあちこちに、同じような場所があるのでしょうか。
雪の予報を聞くと、そちらも気になっています。





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