落ち着いた街 45 田んぼとため池と瀬戸内海

一日目は香川用水記念公園からぐるりと香川西部の田んぼとため池を眺め、そして讃岐塩屋駅から西汐入川沿いに先代池までため池と田んぼの風景を歩く充実した散歩でした。

 

夜になっても、窓の外を眺めつづけました。

先代池の向こうにあるスタジアムでは、夜間照明の下で散水しているのが見えました。半世紀前でもこんなに豊富に水を使うことは夢のようだったでしょう。

工場地帯やドッグなどは夜も動きつづけているのでしょうか、瀬戸内海沿いに灯りが見えます。

一世紀半前の人たちが夢見た繁栄の風景ですね。

 

テレビをつけたら六角精児さんの呑み鉄を放送していて、2018年に廃線になる前の三江線沿線の街や風景を観ることができました。美しい江の川沿いの風景に、訪ねてみたいなあとまたひとつやり残した宿題を思い出しました。

 

翌朝、4時20分に起きるとまだ外は真っ暗でしたが、雨が降っているようです。天気予報では晴れのはずだったのにと思っているうちに、うっすらと明るくなり雨も小降りになってきました。

天気予報をつけると、本州には相かわらず低気圧があり、四国・九州の南には熱帯低気圧と台風があります。それでも長期天気予報では香川は晴れだったので今回の散歩を決行したのですが、天気予報どおり5時半には晴れ間が見えてきました。

この日の四国の天気予報は、太平洋側は雨ですが瀬戸内海側は曇りから晴れです。ほんとうに山があることによってこれだけ違うのですね。

 

日が昇って、瀬戸内海のもやも晴れてくるとタンカーがゆっくりと航行しているのが見えました。

愛媛との県境の山には厚い雲がかかっているのですが、愛媛は大雨だそうで、その雨雲が瀬戸内海にかかっているのが見えてダイナミックです。

これだけ天候が違うのですね。

 

眼下の先代池ともう一つの平池には青空が映り、周囲の田んぼは青々と稲穂が輝いています。

お寺の美しい屋根瓦、遠くに瀬戸内海の島々。なんと美しい街でしょうか。

 

ニュースから、外国人旅行客のインタビューが流れてきました。「渋谷は路上でお酒が飲めるから」「安いから」と。

ああ、そこは以前はもっと落ち着いた活気がある街だったし、私の人生の3分の2を過ごしてきた大事な故郷ともいえるのですけれど。

 

なんだかちょっと悲しくなって、また窓の外の美しいため池と田んぼを眺めました。

 

気を取り直して、今日の午前中はこの街を歩きます。

あのダイナミックな気候がなければ、美しいため池と田んぼの風景もなかったかもしれないですね。

同じ瀬戸内海沿岸でも、祖父母の住んでいた岡山ともまた違う風景。

そのどのような歴史を知ることができるでしょうか。

 

 

 

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