「院内助産とは」まとめ

「アドバンス助産師とは」はまだ続くのですが、臨床で働く多くの助産師には無関係な制度が突如始まったのは、晴天の霹靂といった感じでした。


何をそんなにあわてて新たな制度を作りたいのだろうと言えば、遅々として進まない院内助産システムを盛り上げたいのかと見えてしまいます。


厚生労働省医制局看護課が2009(平成21)年に出した「院内助産所・助産師外来について」には「医師不足・分娩施設の減少への対応」として「産科病院・産科診療所において助産師を積極的に活用し、正常産を助産師が担うことで産科医の負担を軽減する」といったことが書かれています。


中にはそういうシステムがあう施設もあるのかもしれませんが、私が勤務してきたいくつかの総合病院や診療所を見ても、「産科医も足りないけれど、助産師や看護師も足りないからまずはもっと人員を増やして欲しい」というほうが切実ではないかと思います。


最優先の安全性のためにもまだまだスタッフ数が足りないですし、さらに産む人の快適性や満足を要求されるのであれば、どれだけの人員が必要になるのでしょうか?


「院内助産
ある年代以上の助産師にとっては、この言葉は「病院勤務の私たちだって院内で正常な分娩経過を任されているのにね」といった、助産所に対する揶揄的な表現でした。
ところが、そんな言葉がまことしやかに使われるようになった背景はなんだろう。
そのあたりを書いた記事です。


1. 「院内助産」はいつ頃から使われたか
2. 院内助産の目的と定義
3. 院内助産はどのようなものか
4. 院内助産という言葉の矛盾
5. 院内助産のイメージ
6. 産む人にとっての「院内助産」
7. 産む人にとってのイメージ
8. 院内助産のメリットとデメリット
9. 日本産婦人科医会の資料の紹介
10. 助産師を見守る産科医の思いとは
11. 院内助産を推進する産科医
12. 産科医による医療介入への反論
13. 分娩数や助産師確保のため
14. 地域で出産できる場所がない
15. 産科医にとっての効果は?
16. その責任は誰にあるのか
17. 「助産師から見た出産の問題点」
18. 助産師の「やりがい」が目的なのか
19. 助産師の病院嫌い その1
20. 助産師の病院嫌い その2
21. 異常を知らなければ正常もわからない
22. チーム医療と院内助産
23. 助産師と高学歴化
24. 院内助産に求められる経験
25. 達人助産師
26. 「寄り添う」とは
27. 「寄り添う」の違和感
28. 分娩における『主導』権
29. なにを「主導」したいのか
30. 院内助産と政治、安心って?
31. イメージだけで広がる危険性
32. イメージだけで広がった結果はどうか