「花粉症の民間医療について」

「中高年になって花粉症の症状がでにくくなった気がする」と書いたそばから、今年は酷い症状にやられました。


油断してアレグラを飲まないでいたら、なんとなく喉がチリチリしたと思ったとたんに全身が絶不調に。
たぶん、ここ数年の疲れや緊張が一気に出たかのように、私の貴重な連休はただただ寝て過ごすことになってしまいました。
10年ぶりぐらいに寝込んだ感じです。



それにしても私の周囲の医療スタッフを見ても、なんとなく体調が悪くてもなんとか気力で働いて、ちゃんと休みの日に寝込む人が多い印象です。
そして出勤日にはちゃんと回復しているという。
自己管理が良いと言えば良いのかもしれませんが、どこか無理しているのでしょうね。


でも「こんなに眠れるのか」というほど眠って、休養は本当に大事だと痛感。


さて、厚生労働省のHPに「花粉症の民間医療」について書かれています。


その「民間医療の抱える問題点」にはこう書かれています。

確かにストレスの改善がはかられ、体への有害成分が含まれていなければ民間療法に問題はないとも考えられます。しかし、花粉症に効果があるといったことを公言し販売するなら、その疾患に対する有効性を示す必要がありますが、残念ながら民間医療の多くに十分な効果の根拠があるとは言えません。通常の薬物の開発では、患者さんにも投与する医師にもわからないようにしたその薬物と偽薬を投与し、それぞれの効果を評価した後に、投与されたものが本物の薬物だったのか、偽薬だったのかを明らかにして薬物の有効性を調べる盲検試験というものが行われます。この時、偽薬でも医師から投与された場合、ある程度の「有効性」が認められることが少なくありません。これをプラセボ効果と言いますが、特にアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)ではプラセボ効果が高いことが知られています。偽薬が30%を越える高い有効性、すなわちプラセボ効果がみられた報告もあります。薬物の治療効果を証明するためにはこのような盲検試験が必要です。

その他、安全性が危惧される民間医療も指摘されています。例えば、薬事療法で比較的広く用いられているephedraは重篤な心血管障害、神経障害を引き起こす可能性があり、また、医療機関での処方によらない漢方薬には重金属や毒性物質の汚染の可能性があること、同じ薬草でもそれぞれの産地によって組成の違いがあることなども意外に知られていません。民間医療が持つ危険性の情報は、患者さんにはほとんど情報は伝わっていません。

また、患者さんが代替医療に頼った結果、通常の医療に対する受け入れが低下してしまい、コンプライアンスが低下してしまうことが指摘されています。


また「患者さんへ」では、民間医療を用いようとする気持ちに関しても書かれています。


思い込みに囚われてしまう前に、こういう説明がひとりでも多くの方に届きますように。


そして来年はちゃんとシーズン前から内服を開始しなければと、痛い目にあって学習した私でした。