虚をつかれる

昨日は、競泳ジャパンオープン2016(50m)の最終日でした。
5月20日(金)から開催されていたのですが、今回は残念ながら観戦できたのは最終日だけでした。


日本水泳連盟ジャパンオープンの記事を読むと初日や2日目の熱戦が書かれていて、残念!
特に、松田丈志選手の200m、400m自由形のレースを見ることができなかったのは痛恨の極みといったところ。


でも、最終日にはいろいろと「虚をつかれる」場面がありました。


4月のオリンピック選考会では自身の100m背泳ぎでは北京オリンピック代表選考会ロンドンオリンピック選考会と同じく、僅差で代表を逃した古賀淳也選手でしたが、まさかの自由形で五輪へ行くことになりました。


4月の日本選手権では、その場面に本当に鳥肌がたちました。
3回のオリンピック選考会を逃したその気持ちはいかばかりかと思うのですが、その後、50m、100m自由形の泳ぎは、すべてを集中して出し切った泳ぎにように見えました。


今回のジャパンオープンの最終日では50m自由形に出場していました。
リオの100m自由形優勝候補のオーストラリアのキャメロン・マケボイ選手の横で、日本人選手としては中村選手につぐ2位という好成績でした。


いつも「気持ちを切り替える」ことを背中で見せてくれる選手のお一人だと、改めて思いました。


もう一人、瀬戸大也選手が、大会最後のレース、200m平泳ぎで2分10秒台で2位にも驚かされました。
伸びやかな抵抗のない平泳ぎに見えました。


さて、いつもオリンピックの年には、このジャパンオープンの最後に選手壮行会が行われます。
競泳だけでなく、飛び込み、水球、シンクロナイズドスイミングの選手も集合した壮行会です。


今年は、初めてパラリンピックの選手もこの壮行会に参加されました。
「ああ、なんで今までパラリンピックの選手はこの場にいなかったのだろう。同じ、水の中での競技なのに」と、虚をつかれました。


パラリンピックの選手は19名だそうですが、そのうち代表のお二人が参加されました。
成田真由美選手木村敬一選手でした。


壮行会は、プールエンドまで選手がプールサイドを歩いて集まります。


成田真由美選手の車いすを、木村敬一選手が押しながら登場されました。
その歩き方があまりに自然だったので、木村選手は視力がないことを忘れそうでした。


ふと、気づきました。
誰もエスコートがないのに、木村選手はどうやってあのプールサイドを車いすを押しながらまっすぐ、壮行会の行われるプールエンドまで歩けたのだろう、と。


辰巳のプールで練習や試合を繰り返しながら、木村選手にはプールの位置関係が見えていたのでしょうか。