事実とは何か 21 <胡散臭い>

日勤に出勤する前は、朝5時台から6時台までNHKをつけっぱなしにしています。


いろいろと気になるニュースや話題がひっかかってきて、勉強になります。
どういう勉強かというと、「どうやってこういう胡散臭い話題が放送されるのだろう」というあたりです。


先日は、小学生が本の内容を漫才にして紹介するという話題がありました。
大人達の笑い顔と感心したというコメント、子ども達の「ためになった」という感想がテンプレになっているのは、以前も観た授業に漫才を取り入れる話と同じですね。


あるいは、さまざまな便利グッズの紹介コーナーもあります。
確かに便利そうなものもあるのですが、たいがいのものは「なくても不便ではないし、あればものが増えるだけでは」という印象です。
それを紹介する「一般の人」もまた、雑誌に出てくるような生活感が感じられないきれいに片付けられた家の中で、家族と「便利です」と、これもテンプレ通りという感じ。


朝から脱力するような胡散臭いと感じる話題が多いのですが、社会の変化をあれこれ考える良い機会にはなります。



ちょっと唐突ですが、こうした胡散臭い話題を聞いていると、私は学生時代に苦手だった文化祭とかイベントの雰囲気と重なってしまうのです。
日常のありのままの生活ではなく、いきなり上辺だけの昂揚感に包まれるあの雰囲気が苦手でした。


「文化祭」なのに、こつこつと研究したり練習して来たことを発表すると言うよりも、いきなり焼きそばを作って売ったり、お化け屋敷を作ったりすることで楽しいと感じるあの雰囲気です。


卒業して、もうこういう雰囲気とは無縁になるとほっとしたのも束の間、さまざまな催しや職場の宴会など、自分には不向きなキャラクターを演じさせられることが終わりにならないという絶望感。あ、ちょっと大げさですけれど。



こうしたニュースで流される話題が、イベントに感じる何かと重なるのはなんだろうと考えていたのですが、洗練とこだわりも過ぎれば、現実感のない胡散臭さになるあたりかなと思っています。





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