アドバンス助産師とは 13 <登録商標がついた>

「アドバンス助産師」での検索でたどり着かれる方がけっこういらっしゃる印象ですが、検索ワードから逆検索していくと、いろいろと定点観測ができて勉強になります。



先日もこんな変化があることを、見落としていたことに気づかされました。



なんと、「助産師個人認証制度」登録商標がついたらしいです。
「2016年版 助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)®レベル3*認証申請ハンドブック」というように、「®」が今年度から付いていました。
( *「3」はローマ数字ですが変換できないのでそのまま)



2015年のニュースリリースにはまだ、登録商標はついていませんでした。


<医療資格と登録商標


医療現場でも医薬品などには目にする登録商標ですが、資格に対してそれがつくのはどういう意味があるのか、他の分野でもあるのかなど全く知りませんでしたが、それなりにあるようです。


助産師の世界での「®」としてすぐに思い浮かぶのは、「誕生学®」ですが、それはさておいて。


まず日本看護協会の「認定看護師」のサイトでは、徽章(バッジ)の写真の下に「徽章は本会の登録商標です。図形画像を含め、無断での使用はできません」と書かれていました。
ただし、「認定看護師®」ではなく、あくまでも徽章に対してのようです。



今年になって国家資格化された公認心理師ですが、医療従事者でも何がどういう資格なのかわかりにくい日本の心理学に関する一覧を見ると、「学会認定の民間資格」の最後に「メンタル心理士・メンタルケア心理専門士は登録商標」とありますから、医療関係でも資格そのものに登録商標が使われることがあるようです。


他には、「医療福祉情報実務能力協会」という特定非営利活動法人が、看護助手に対して「メデイカルケアワーカー®」という民間資格を作って検定試験を始めているようです。
「国内初、国内業界初の看護助手実務能力に対して資格を認定しています」と書かれています。


少し検索しただけなのでこれくらいしかわかりませんが、上記以外にも医療従事者の中に「®」が使われている資格があるのでしょうか?




<クリニカルラダーに対する®は何を意味しているのか>



助産師実践能力習熟段階(クリニカルラダー)のレベル3程度になった助産師を、「アドバンス助産師」と呼んだり、そのシステムを「助産師個人認証制度」と言ったりややこしいのですが、冒頭の申請ハンドブックを読むと、この制度や資格に対する®ではなく、どうやらクリニカルラダーに対する商標のようです。


わずか1年半ほど前の看護協会ニュースレターでは、「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)について「英略称はCLoCMip(クロップミップ)。普及するように今日から使用して欲しい」と書かれていました。
臨床経験の目安となるラダーは必要ですから、実際にいろいろな施設で使ってみて、変更するところは変更し、多様な施設の現状に即した使われ方をしたり、その全体像をさらにまとめたクリニカルラダーに標準化されていくのかと思っていました。


そのクリニカルラダーにまさかの登録商標です。
言葉は悪いけれど、なんだかみかじめ料みたいですね。



助産師の多くは新しい流れに勉強熱心で人がいいから、自分たちの国家資格の中に民間資格を取り込むことの矛盾や弊害に気づかないのでしょうか。




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