年始の夜勤明けで、また今年も途中下車をしてふらりと散歩をしてみました。
いつもよく使っている路線から少しはずれて歩いてみました。
地図でそのあたりの道を頭に入れておいたのですが、実際に歩いてみてイメージとは全く違っていたので驚きました。
海抜数mにもならない平地だろうと思っていたのですが、そこを通る幹線道路はアップダウンが何度もあることが見ているだけでわかりました。
さすがに夜勤明けのヘロヘロな足では当初の目的地まで歩けずに、途中から電車で帰りました。
電車で通っていても、確かにちょっとした山の間を掘削したことがわかるようなところやトンネルのようになった部分もありますから、けっこう起伏がある地域なのだと歩いてみて実感しました。
地名に「山」「谷」「沢」「台」といった言葉が残っているのですから、当然といえば当然でした。
その幹線道路の途中で、古い石造りの橋が残されている箇所がいくつかありました。
昔は川が通っていて、暗渠化されたのだろうと思います。
私の住んでいるところにもそういう場所があって、川が流れていた風景や生活はどんな感じだったのだろうと想像しています。
ああ、こういう暗渠を全部ブラタモリしてくれないですかね。
<「水系と3Dでたどる東京地形散歩」>
最近は、書店に行くとまず地図コーナーに行くのですが、「こんな本が読みたかった!」と思う本が出版されていました。
「水系と3Dイラストでたどる東京地形散歩」
(竹内正浩著、2016年10月、宝島社)です。
山あり谷あり、川あり池あり泉あり
地形のびっくり箱・東京
江戸時代から平成ー400年の水の歴史を巡る
20の散歩コース
川沿いを歩いて
東京の凹凸に
隠された謎を知る
「水」と「散歩」というキーワードがあったので、飛びつきました。
明治時代から1950年代までの、東京の「自然な川」の貴重な写真も掲載されています。
1960年代前半に東京で暮らしていた幼児の頃の記憶と、一部重なります。
玉川上水に関心があった頃、都内へ水を運ぶ上水のいくつかは覚えたのですが、都心での水系についてまではなんとなくの知識で終わってしまいました。
この本では、現在は暗渠化されたか廃止された昔の水系がその地形とともにわかるようになっています。
それをたどっていくと、都内にあるざまざまな公園の歴史も垣間見えてきます。
また、ずっとまっすぐ続く荒玉水道については知っていて、以前歩いたこともあるのですが、井の頭通りが「東京水道」であったことはこの本で初めて知りました。
東京に近代的な水道が敷かれたのは、明治19年(1886)のコレラ騒動をきっかけに具体化した水道構想から10年以上経た明治31年(1898)である。この年の12月、ようやく通水にこぎつけた最初の東京市水道は、玉川上水の和田掘内村和泉(現在の世田谷区代田橋の北)から淀橋街角筈(現在の新宿区西新宿)まで一直線に新水路を掘削して、新設した「淀橋上水工場」(淀橋浄水場)で原水を濾過・消毒したうえ、東京市一円に配水する仕組みだった。浄水工場と同時に、「給水工場」(給水所)が芝と本郷に建設されている。
なんで井の頭通りがあの代田橋あたりから急に道幅が狭くなって、新宿方面に向かって曲がっているのか。
ずっと地図を眺めて疑問に思っていたことが、わかってすっきりしました。
今年はこの本を参考に、川沿いや暗渠沿いを歩いてみようと目標ができました。
「散歩をする」まとめはこちら。