産後ケアとは何か 34 <しょうこさんのコメントから考える>

「産後ケア」から、最近は「産前産後ケア」という表現をぼちぼちと耳にするようになりました。
勤務先にも、「産前産後ケア」に関する研修会などのお知らせが来ることがあります。
そろそろ最近の「産前・産後ケア」に関する動向を追ってみる必要性を感じていた頃、ちょうどしょうこさんがご体験を書き込んでくださいました。ありがとうございます。


妊娠前からうつがあり、妊娠中から区役所と児相のフォローがあった方のようです。
この点では、10数年ほどまえにはまだかなり珍しい「産前ケア」が、だいぶ標準化されてきた印象を受けました。


しょうこさんは緊急帝王切開の術後に精神的に不安定になり、自傷のおそれもあったので出産した病院の医師と助産師の勧めで退院後に一旦、産後ケア施設の助産院に宿泊されたようです。

助産院では畳の部屋にベッドを入れてもらい、畳の上での起居は辛そうだなと思い、おっぱいにキャベツを乗せられ、衛生どうなっているんだろう?とびっくりし、(乳首にはさわってなかったのでまあ大丈夫かと自分を納得させ)バランスボールの上に子を抱いた夫が座り揺らしてあやすのを横目でみつつなんでここにバランスボール?とクエッションマークを飛び散らせ、の2泊でした。

畳の上のお産バランスボールを抱えたり自由な格好で出産するといった分娩に対応するためであり、産後も冷やし過ぎはよくないというキャベツ湿布を取り入れているのでしょう。
まあ、日本の助産師には、なんでそれがしょうこさんに驚かれるのか理解できないほど浸透している価値観ではありますね。



もうひとつのコメントの内容としょうこさんのブログを読むと、助産師であればその助産院と経営母体がすぐにわかることでしょう。



ただ、今回はその助産院を批判することが目的の記事ではありません。


妊娠中から区役所と児相のフォローがあり、出産した病院でも「自傷のおそれ」を考えてもう少し医療機関でフォローしたほうが良いと判断したわけですから、それがなぜこの結果になるのだろうと。


正常なお産を死守し続けてきた助産所が、産後にもっともといってよいほど医療的なフォローが必要な、産褥精神疾患の方々を受け入れているという医療法との矛盾に、しょうこさんが出産した病院の助産師も疑問を持たなかったのでしょうね。



産後ケア施設は、現時点では宿泊業であって医療法による施設ではないのですから。



惜しいですね。
「産前・産後ケア」ってなんでしょうか?




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