産後ケアとは何か 35 <産後ケアを推進する「産後ママを全力でエコヒイキ」>

しょうこさんのコメントを機に、久しぶりに「産後ケア」で検索していたら、2013年頃にはなかった団体のHPを見つけました。


ひとつは「一般社団法人日本産後ケア協会」です。
これで、標準的な産後ケアが実現していくのかなと少し期待したのですが、その団体名の上に「日本産後ケア協会は産後ママを全力でエコヒイキ」と書かれていて、意味がよくわからないまま代表メッセージを読んでみました。


「協会理念」には「お母さんが幸せだと、家族みんなが幸せになる」とあります。
そして「出産後の女性のライフスタイルに新たに『産後ケア』の概念を組み入れ、日本における少子化対策、地域の子育て支援、虐待防止に貢献します。」が「ビジョン」だそうです。
そして遂行する「ミッション」も書かれていました。


臨床現場でも「産後ケア」とは何かを言語化できずに苦労しているというのに、概念としてすでにまとめているのかと期待して読みましたが、さらっと読んだ限りでは見つかりませんでした。


そのかわりに、「産後ケアに重要な3つの要素」が提示されていました。

「心身へのケア こころと体への包括的なアプローチ」
「学び 幅広い育児知識の修得」
「環境 家庭や産後ケアセンターにおける快適な環境作り」


「産後ケアセンターとは」には以下のように説明が書かれています。

産後ママのこころと体をケア


出産後、赤ちゃんと一緒に過ごすことができる宿泊型ケア施設のことです。
助産師さんが24時間態勢でママと赤ちゃんをサポート。
こころと体のさまざまなケアを受けることができます。

そんな素晴らしい産後ケアの実践方法があるのなら、私が教わりたいぐらいですけれど。



ああ、そうか。そのために数万円の受講料を出して、産後ケアリストという認定資格を受ければよいということのようです。



まあ「学び」という表現が出てきた段階で、こういう方面の話であり、問題を私的領域にとどめず、社会の中の問題として立ち向かう覚悟があるかどうかということなんですけれど。


なんだかシュールな光景ですね。




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