いつもコメントをくださるぽむぽむさんが、なんと韓国の産後院(産後調理院)見学ツアーに参加されたとのことで、ブログに報告を書かれています。
ぽむぽむさんが初めてコメントくださったのは、「産後ケアとは何か 16 <産後ケアとレスパイト事業の経緯>」でした。
ぽむぽむさんご自身が産褥入院をしている施設を調べて利用されたご経験がブログにもまとめられていて、私もとても参考になりました。
そして今回は、こちらの記事に書かれているように、韓国の旅行会社と観光公社が主催する産後見学ツアーに参加されたそうです。
まずは記事を読まれることをお勧めしますが、私が印象に残った部分を覚え書きとして書いてみようと思います。
<韓国の産後調理院について>
「韓国の産後調理院(サヌチョリ)とは」で、韓国観光公社公式サイトの以下の説明を読むことができます。
韓国には産褥期の母体のケアを行う「産後調理(サヌチョリ)」の文化があります。出産で弱った心身を回復させるために特別な料理を食べたり、特別な過ごし方をするもので朝鮮時代から行われていたといわれます。産後調理はもともと家庭で行うものでしたが、核家族化によって家庭でのケアが難しくなってきたため、現在は出産後に「産後調理院(サヌチョリウオン)」という専門の施設を利用する人が増えています。産後調理院は1997年に初めて開設され、その後続けて現在では全国に860カ所ほどの施設があります。
なんとなく韓国の古くからある産褥ケアというイメージで広がった産後調理院は、実は1997年に始まったものだということです。
それにしても、なぜ「観光公社」で産褥ケア施設について説明されているのでしょうか。
その背景がわかる内容が同じ記事内の「[メールマガジン]韓国『産後調理院』と産後ケアサービスの現状」(オクスアイ医療事業開発会社)に書かれています。
「韓国では企業の海外進出として、産後調理院の日本進出を検討しているようです」
「医療行為でない産後ケアとその成長」
韓国の産後調理院は20年前ほど前に小さな業者から始まりましたが、当初は「良いビジネス」だったようです。
韓国では、産後ケアは医療行為とされていません。
出産後の母子の宿泊と生活のお世話をするというサービスなので、空きビルを利用すれば、誰でもどこでも事業を開始することができました。
「医療行為ではない産後ケア」であるけれど、産後ケアを受けに韓国を訪れてもらう医療観光の位置づけということのようです。
その点についてはぽむぽむさんも「韓国の産後見学ツアーのきっかけ」に以下のように書かれています。
訪韓する日本人自体が大幅減というニュースもある中、医療観光の新しい目玉商品として、産後院(産後調理院)を売り出して行こうと考えられているのかなと思いました。
そしてぽむぽむさんが参加されたツアーの正式名称は「韓国式女性医療コース開発パワーブログファムツアー」とのことです(ぽむぽむさんは「ファームツアー」の誤記ではと思われたようですが、私は「パワープログラム」かなと)。
いずれにしても、韓国の産後ケアは比較的新しいものであること、医療や福祉という枠組みから始まったのではなくビジネスとして始まったこと、さらに医療観光として海外からの呼び込みを図っていることがよくわかる内容でした。
実際にぽむぽむさんが見学された施設では、マッサージやエステあるいは韓方(韓国の東洋医学)など代替療法のオンパレードであったり、あるいは産後にリフティング・生殖器の整形まであるようです。
あらためて「産後ケア」とは何を指しているのか、考えさせられる内容でした。
ぽむぽむさんの率直な感想は、記事を読ませていただいて私も同じでした。
どうして韓国は産褥入院がビジネスとして始まったのだろう、なぜ韓国では「女性が自分に投資する。美容にここまでお金をかけるんですか?」(ぽむぽむさん)。
そのあたりをちょっと考えたくなりました。
ということで、次回に続きます。
ぽむぽむさん、良記事をありがとうございました。