散歩をする 25 <川がきれいになり始めた頃>

少し間があきましたが、目黒川の散歩の続きです。


地図で目黒川を見ていると、山手通りと並行して流れている部分があります。
そこに「目黒区民センタープール」を見つけて、ひとつの記憶が甦りました。
「たしか山手通りを歩いて、このプールで泳いだことがある」と。
1980年代初め、私が働き始めた頃に友人と行ったことがあったはずです。


屋内プールで泳ぐことが、とても贅沢に感じたほど、都内にもまだ屋内の温水プールが限られていた時期だったと、あの頃を思い出しました。
神宮外苑の屋外プールがまだあった頃で、総武線からプールが見えました。
屋内プールは、現代々木体育館にまだ50mプールがあって、たまに行きました。
まあ、当時は泳ぐというより遊ぶ感じでしたが。



その目黒区民プールは、明るくてきれいなプールの記憶があります。
そうだ、久しぶりに行ってみようと思い立ちました。
当時は中目黒駅から歩いて、とても遠かったような気がしていたのですが、地図を見ると目黒駅からも中目黒駅からも10分程度です。
目黒駅から目黒川沿いに、行ってみました。


実は、「目黒川沿いに行く」ことにも、ちょっとした一大決心が必要でした。
たぶん、私の幼少時からの経験からなのか、まだどこか「川は汚くて臭いもの」という認識があるのです。
川について本を読むようになって、これが「水辺はゴミや生活排水を処理する施設に近い感覚」(「水路をゆく」)という、時代からくる感覚だったのだとわかりました。


20代の頃、目黒川もドブ川のように感じていたのですが、新設されたばかりのその温水プールの後ろに目黒川が流れていることさえ、気づきませんでした。山手通り側から出入りしたからです。


目黒川沿いを歩いてみて、おしゃれになったことに驚きました。
ほんわかと川の香りがする目黒川の両岸に、池尻大橋まで続く歩道が整備されています。
桜の季節だけでなく、木や草花が目を楽しませてくれます。


目黒区民センタープールは、記憶とは全く違って古い施設でした。
そりゃあそうですよね、三十数年前の記憶ですから。
でもプールの水は清潔でしたし、私には泳ぎやすいプールでした。


Wikipediaの目黒川を読むと、1995年以降、この目黒川も清流復活事業が始まったようです。



こうして時間をかけ、住みやすくなるような事業がたくさん行われていたことを何も知らなかったことに恥じ入りました。



目黒川の散歩がもう少し続きます。




「散歩をする」まとめはこちら
合わせて「水のあれこれ」まとめはこちら