早起きは三文の得ですね。はらこ飯を満喫して、鳥の海も阿武隈川河口も見て、そして資料館も訪ねても、まだ午後2時です。
計画の段階では、岩沼駅から東北本線の槻木(つきのき)駅で阿武隈急行に乗り換えて福島まで阿武隈川沿いに行ってみたいと思いましたが、あの台風19号の影響で亘理から上流40kmほどのところにある丸森駅まではようやく復旧したものの、丸森ー福島間はまだ運休中でした。その名も「あぶくま駅」をみてみたいと思ったのですけれど、全線復旧したらぜひ阿武隈川沿いを走るその路線を訪ねたいものです。
夏に五百川を見に行った時に、東北本線の福島行きに乗りました。今年は、郡山ー福島間をなんと新幹線で3回も通過したのですが、東北本線は未体験です。
ということで帰路は岩沼駅から東北本線沿いの風景を見ながら福島駅へ行き、日没まで1時間ほどを福島市内の阿武隈川沿いを歩くということにしました。
*白石川に沿って走る*
岩沼駅で東北本線を待っている間、同じホームを2回も貨物列車が通過していきました。通過するのにけっこう時間がかかる長い長い貨物列車でした。80年代ぐらいはまだ、山手線でもこんな風景を見ていたことが懐かしくなりました。
槻木(つきのき)駅から東北本線は白石川沿いに進みます。しばらくすると「大河原駅」という、まさに広々した場所を通過しました。
阿武隈川の支流ぐらいしか事前に考えていなかったのですが、かなり川幅も広い川でした。堤防に桜が植わっていて美しい風景でしたが、帰宅してからWikipediaの治水工事と桜の植樹を読むと、今度はその堤防沿いを歩いてみたいものです。
そして今年の台風19号でも被害があったそうです。
2019年10月13日、接近した台風19号の豪雨により白石川の水位が上昇。右岸一帯で内水氾濫が生じ、岩沼市では床下浸水27戸の被害が生じた。
その大河原駅を過ぎたあたりから、雲の合間に山並みが見え始めました。一つだけ、山の中腹にところどころ白い雪がある山が見えました。もしかして蔵王だとピンときました。
そこから東白石駅、白石駅までは、遠くに蔵王が雲に隠れたり日が差したり、そして白石川の水面が青く輝いているという幻想的な風景が続きました。
ところどころ、河川敷の草や木がなぎ倒された跡がまだそのまま残っていました。
*ふたたび阿武隈川沿いへ*
白石駅の手前から白石川と別れて山へと入っていきました。お天気だったのに、ポツポツと雨が降り出しました。
山間部の町並みや山の風景が続くと、「越河駅」があります。ちなみにこすごうと読むのですね。平地が少なく家は急斜面に建てられていて、奥多摩の風景に似ているのですが、違う点といえば、地図で見ても川がなく、ため池がたくさん描かれている地域です。もしかすると、白石川と阿武隈川の流域を越えるという意味でしょうか。
山間部を抜けると、「藤田」のあたりから阿武隈川の河岸段丘沿いに少しずつ平地が増えて水田地帯が広がっていきました。
このあたりからいくつかの駅に、煉瓦造りの古い倉庫が残されている場所がありました。東北本線の長い歴史のいつ頃の建物なのでしょうか。
福島駅に近いどの駅か忘れたのですが、線路沿いに空き地があって、線路に向かってベンチがありました。
ああ、やっぱり!
ベンチに座ってぼーっとすることが至福の時間という人がいるのですよね。
いいなあ、東北本線が通過するのをぼーっと眺めているなんて。
その場所をうらやましく思っているうちに、福島駅に到着しました。
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