散歩をする 27 <汐入公園>

今年は雨が少ない梅雨でしょうか。
暑すぎず、薄曇りの日が多いので散歩日和です。
その日の朝も地図をつらつらと眺めていて、散歩の場所が決まりました。


汐入公園が目に入りました。
隅田川と荒川が近づいた場所に、隅田川が「つ」の字のように大きく蛇行して流れている場所があります。
そこにある公園です。


以前から名前は記憶にあったのですが、東京都公園協会公園へ行こうの説明で、「よし、行こう」と決まったのでした。

この地区に隣接する隅田川は、古くから都民に親しまれてきた東京を代表する河川です。公園と隣接する約1kmの区間については、高いコンクリートでできた防潮堤をスーパー堤防化しました。これにより貴重な水辺空間と一体になった公園整備を行い、眺望の開けた、快適で水にも親しみやすい、緑豊かな広大な都市空間を生み出しました。


スーパー堤防」は、水との闘いが気になり出してから目に入るようになったのですが、まだ実物を見たことがありませんでした。


スーパー堤防とは>


Wikipedia堤防で「高規格堤防」として説明があります。

通常の堤防は越水が起こると土砂が削られ、破堤につながり甚大な被害を招く。万一の越水でも急速な崩壊を招かぬよう、裏法面を3%以内の緩やかな勾配としたものを高規格堤防という(スーパー堤防とも呼ぶ)。高規格堤防においては水が堤防高を越えても堤内に緩やかに流れ落ちるため被害が小さくなる。
1987年に建設省(現在は国土交通省)が事業として始め、千葉県栄町矢口(やこう)の利根川沿いに完成したものが第一号。利根川のほかに江戸川、荒川、多摩川、淀川、大和川の5水系6河川区間約873kmの整備を対象とする。

高規格堤防事業は100年から200年に一度の大洪水を安全に流すことを想定しているが、建設には約400年の膨大な時間と12兆数千億円の費用が必要とされ、また堤防全体を高規格化するまではその治水効果を十分には発揮できない。利根川では全体の高規格化まで約100年かかるという試算もあり、治水対策に名を借りた再開発計画だとの指摘もある。


400年後の姿は想像もつきませんね。


<汐入公園へ向かう>


最寄りの駅は日比谷線南千住駅のようです。
冬場に荒川沿いの土手を歩いてみようと北千住駅で降りたことはあるのですが、南千住駅は初めて降りる駅です。
どんな街だろうと、ちょっとワクワクしながら歩き始めてみました。


自転車用と歩行者用が分けられた、ゆったりと歩ける歩道が続いています。
駅から2〜3分で、高層マンション群が広がっていて、よく整備された新しい街の印象です。
Wikipedia南千住の説明を読むと、1987年(昭和62年)以降、再開発が始まったようです。


さらに少し歩くと、広大な公園が広がっていました。


立ち並ぶ集合住宅群と公園。
1960年代前半のあの真新しい官舎と公園の記憶が甦ってきました。
そして多摩ニュータウンなど、1960年代に作られた街は当時こんな感じだったのかもしれません。



公園の一部は、蛇行する隅田川に沿った緑地帯になっています。
隅田川沿いに整備された隅田川テラスという遊歩道よりも高い位置に、さらに歩道が整備されています。
正確な高低差はわからないのですが、公園の一部に「海抜3m」の標識がありました。


隅田川の下流では、まだコンクリートの高い堤防の中に街があります。
その部分を嵩上げして新たな街を作る。
スーパー堤防の是非といった議論は全くわからないのですが、土木技術のリスクマネージメントから考えれば、「想定外のリスク」さえ批判されることに対応していかなければいけないのでしょうからその施行や管理は大変なことですね。


よそからふらりと散歩に来た私にすれば、隅田川沿いに美しい都市の風景が広がった公園でのんびりできてうらやましい限りですが、以前の街に愛着を持っていた方々には街の変貌を受け入れるには時間が必要なことでしょう。


河川の管理には、いろいろな意味で数百年の見通しが必要ということでしょうか。


さて、散歩から戻ってWikipediaの「南千住」を読み直して気づきました。
1980年代に来たことがあったことに。

ちなみに、南千住駅南側の泪箸交差点を中心に山谷と呼ばれる地域があり、かつては木賃宿が立ち並ぶ労務者の街として知られ、現在も簡易宿泊施設(通称:ドヤ)が少なからず存在する。

その地域にあった無料診療所に、知人の医師について行ったことがあったのでした。




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