私が散歩コースを決める方法として、いくつか手段があります。
ガイドブック的なものや「水路をゆく 東京の川・運河を巡り尽くす!!」のようにあるトピックスに焦点をあてた本を参考にすることもありますが、たいがいはMacの地図をつらつらと眺めて、その日のその時の気分で歩く道が決まります。
ところが、実際に歩いてみると、「道はあるけれど歩くのには適さない」という問題にしばしばぶつかります。
MacやiPhoneの地図というのは、歩行者よりもむしろ車道が中心なのかもしれないと感じることがあります。
たとえば、等々力渓谷へ向かう途中、多摩川沿いを歩いてみました。
地図では多摩川に沿って道路が描かれていたので、きっと荒川や江戸川のように堤防の上に車道と歩道が整備されているのだろうとイメージしたのでした。
ところが、そこはトラックなどがビュンビュンと行き交う道で、歩道は申し訳なさそうにわずかに確保されているだけでした。
あるいは、荒川などの大きな河川にかかっている橋を渡ってみようと思っても、その橋が高速道路だけなのか一般道もあるのかが地図ではよくわからないことがあります。
実際に行ってみて、初めて一般道の橋の歩道に行くまではかなり迂回しなければいけなかったりします。
しかも大きな橋なのに、歩道は人がすれ違うのにやっとくらいの狭いもので、そこを自転車が疾走していきます。
いえ、これは地図の問題というよりも、この道路が整備された時代背景や、日本の道路が車優先だという問題なのですが。
同じ場所を、歩行者から見た地図にしたらどうなるのだろう。
あるいは自転車に乗る人から見た地図はどうなるのだろう。
さらに、杖が必要になったり、車いすに乗った場合にはどんな地図になるのでしょうか。
こちらの記事で紹介した図鑑に書かれているように、「完璧な地図は存在しない」「いかなる地図もつねに主観的である」にとても納得したのはそういう体験からでした。
まずは、ゆったりと歩ける歩道の幅があるかどうか、歩道の広さがどれくらいあるかわかるとありがたいです。
歩道は一応広いのに、お店の看板やら無断駐輪で占拠されていたり、段差が多くて歩きづらかったりしないかどうかもわかるといいですね。
自転車用のレーンが確保されているかも、欲しいですね。
自転車を気にせずにぼーっと歩ける道というのは、案外少ないものです。
そして、1時間ぐらい歩くとちょっと座って休憩をとりたくなるので、ベンチや木陰があるといった情報もわかるとうれしいですね。
ゆっくり歩く視点から地図を作ってみたら、街並がもっと変わるかもしれない。
そんなことを思いながら、てくてくと歩いています。