10年ひとむかし 25 <記録を残す手段>

自宅でパソコンを使うようになって20年が過ぎました。
その少し前の1990年代初めの頃には、ファックスやワープロが日常生活品になるという劇的な変化がありましたが、自宅に「コンピューター」がある時代がくるとは考えてもいませんでした。


インターネットのおかげで便利になった反面、「ウイルス対策」だの「バックアップ」だの、慣れない用語とその方法に翻弄され、なにかトラブルが起こると休日が一日潰れ、さらに通常の家電製品とは違い、処分するときにも記録を消去したりなかなかやっかいです。


ただ、パソコンが汎用化されて、特に家計簿ソフトは大助かりでした。計算間違いで記入し直す際の煩雑さから解放されました。
これで10年、20年と長い間の支出の記録を簡単に残すことができると、日記のひとつとして重宝していましたが、そんなにうまくいかないことがわかったのは、WindowsからMacへ替えたときでした。
何がなんだかよくわからないけれど、データーの移行に失敗。
10年ほどの家計簿は、どこかへ飛んで行きました。


紙の媒体なら探せばいつかは出てくる可能性がありますが、コンピューターの記録は私の理解を遥かに越えたものなので、あの記録がどこへ行ったのかも全くわかりません。
宇宙の果てまでいってしまったような気持ちです。
いえ、コンピューターは素人の手におえるようなものではないのに、私の生半可な知識で適当にいじっているのがいけないのですけれど。


さて、先日、また大事な記録が飛んでいきました。
今回はiPhoneで、中に入れたアプリとともに。


私の仕事は交替制なので、夜勤のシフトを入れられるように有料のシフトアプリを使っていました。
私のiPhoneは今3代目なのですが、このアプリもiPhoneを買い替える度にデーターの移行がうまくいかなくてつまづいていました。
パソコンできちんとバックアップしているのに、結局はそれまでの記録を移せなくて、毎度いちからスタートという感じなので、今のiphoneに入っている勤務スケジュールの記録は1年ほどしかありません。


ただ、その1年分の中には、父との面会に行った日の父の様子を記録がメモにしてあったのです。


先日、いつも通りそのシフトアプリを開こうとしたら、「アプリ終了のお知らせ」が出て「早くデーターを移行せよ」のお達しになっていました。
あわてて試してみたのですが、失敗の理由はよくわかりません。


その日の朝までは何の問題もなく見ることができたのに、あの父の記録は何処へ。


やはり、永遠の記録方法というのはないのか、紙に残すしかないのかと考えています。
まあ、死ぬ時には全て潔く、宇宙の果てへと消えてくれた方がありがたいのですが。



10年前にiPhoneが発表されて、さまざまなアプリができた時にはなんだか夢のようでしたが、やはり現実は現実の世界、そこまでコンピューター万能な世界ではないのですね。
データー移行に失敗ばかりの私には、パソコンやiPhoneをお財布代わりにしたり、「雲の上」でデーターを管理することにはびびっているほど、ど素人です。


次の10年、どうやってパソコンやスマホとつき合っていこうかと考えています。




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