散歩をする 40 <善福寺公園から武蔵関公園へ>

新宿から中央線に乗ると、吉祥寺の手前で鬱蒼とした緑地が見えます。
手前の森が東京女子大で、その奥にあるのが善福寺公園です。


車窓から見ると、以前だったら駅から遠く感じてとても歩く気にはならなかったのですが、散歩をするようになって「あのくらいは歩ける」という自信がでました。
ということで、ずっと気になっていたあの森へ行こうと、秋晴れの日の朝ひらめいたのでした。


地図で確認すると、それほどの距離はありません。
そのまま青梅街道を歩き、さらに武蔵関公園を目指すことにしました。


吉祥寺駅からしばらく歩くと美大通りがあり、まっすぐに住宅街の間のその通りを歩くと、女子大通りにぶつかります。
やはり通り名があると、わかりやすいですね。


その東京女子大の横の道を行くと、急な坂道になって善福寺公園に入ります。
谷沢川旧渋谷川のように、周囲の住宅との高低差がかなりある場所があって、川によって浸食された地形がわかります。
中央線の車窓からは平坦な住宅街に見えていたのですが、実際に歩くと、かなり坂道があることがわかりました。


数日前の台風の大雨の影響で、善福寺池の遊歩道はところどころまだ水が引けていないので歩行禁止になっていました。
善福寺川周辺の浸水のニュースは今でもありますが、おそらく、1960年代から70年代はこのあたりは相当頻繁に住宅の浸水被害があったことでしょう。
今でこそ、こうして和ませてくれる公園ですが、生きるために必要な水を得る湧水地のそばで生活をするというのは、危険との隣り合わせだった時代のほうが長かったのだろうと、ぐちゃぐちゃの道を歩きながら思いました。


休日の秋晴れの日だったのでたくさんの人が来ていましたが、井の頭公園の激混みに比べれば静かでしたから、ちょっと穴場かもしれません。


残念だったのは、「東京都水道局杉並浄水所の水源になっている(23区の東京都水道局管轄の水道で、井戸を水源としているのはここだけ)」(Wikipedia)の杉並浄水所がすぐそばにあったのに、行く前には読み飛ばしていたことでした。
ああ、立寄ればよかったと、後悔先に立たずですね。
やはり散歩でも予習は大事。


<青梅街道を歩き東伏見方面へ>


初冬の午後はあっという間に日が落ちていくので、先を急がなければと、青梅街道へと向かいました。
青梅街道も、街路樹が植えられています。
街路樹の側に説明書きがあって、昭和36年に植えられたケヤキであることがわかりました。


しばらく青梅街道を歩き、東伏見の三叉路の手前で右に曲がると、そこはまた急な下り坂になります。
武蔵関公園の手前に、けっこう水量のある川が流れていました。
ここもまた河岸段丘であることがわかります。
そして、もしかしたら青梅街道のように重要な道は尾根伝いに作られたのかもしれないと、帰宅してから地図をつらつらと眺めながら想像しました。


ちなみにその水量のある川は、石神井川でした。Macの地図では川の名前が書かれていない箇所がけっこうあって、地図上で上流から下流を行きつ戻りつつなげてみないと、何という川なのかがわかりにくいのが弱点。
まあ、完璧な地図はないのですけれど。


武蔵関公園の池も水辺に遊歩道が作られていて、それほど人も多くないので、ゆっくりと紅葉を楽しむことができました。
「大正時代に私設公園としてボート場や遊具施設などが整備され、1938年10月に東京市立公園として開園した」とありますが、当時はどんな雰囲気だったのでしょうか。


東伏見駅には30年ほど前に何かの機会に来たことがあり、駅の横にあるスケートリンクが印象に残ったのですが、そのそばにこんなに水が豊かにある公園があったことを知らないまま来てしまったことを後悔しながら帰路についたのでした。


というわけで後悔三昧の、約1万7歩、369キロカロリーのお散歩でした。(「ちい散歩」風に)




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