観察する 44 <鳥インフルエンザのリスクマネージメント>

を見たあと、水族園にももちろん立寄りました。


行くたびに、新たな発見があります。
同じ対象を見ているはずなのに、何度も観ているうちに今まで目に入っていなかったことがわかるようになるおもしろさとでもいうのでしょうか。


そして、今まではその存在を気にもしていなかったのに、何度も水族園で会ううちにかけがえのない存在になっていきます。
「元気かな」と気になる存在に。
水族園に入ってすぐの大きな水槽の中で、グルクマのような顔をして泳ぐ一匹のマアジも健在で、ほっとしています。


そしてこのところ、一番時間を費やすのがペンギンをぼーっと眺めることです。
寒いこの時期は、オウサマペンギンとイワトビペンギンも外に出ているので、4種類のペンギンの行動の違いを観ては楽しんでいます。



鳥インフルエンザリスクマネージメント>


さて、葛西臨海水族園へ行った数日後の1月17日に、「鳥インフルエンザウイルスの状況に伴い、一部の鳥類の展示を中止します」というニュースがありました。
毎年この時期になると、人間のインフルエンザだけでなく鳥インフルエンザのニュースも恒例になりました。


年末にリスクマネージメントについて考えていたこともあって、今年はこの恒例になりつつあるニュースも私の中では少し違った視点で読みました。


今回の対処のきっかけが、「東京ズーネット」では以下のように書かれています。

 2018年1月5日に東京都大田区で回収されたオオタカ1羽の死亡個体についてA型インフルエンザウイルス遺伝子検査を実施した結果、陽性反応が確認されました(2018年1月10日、環境省・東京都・神奈川県同時発表済)。

 その後、環境省が国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門で高病原性鳥インフルエンザの確定検査をしたところ、1月17日に高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)が検出されたとの報告がありました。


鳥インフルエンザ」という名前を初めて耳にしたのは1990年代後半でしたが、わずか20年ほどで、野鳥の死骸の発見から動物園の鳥類の保護まで連続した対応がされていることにすごいという感想をもってニュースを聞いたのでした。


ヒトも動物もあるいは植物も、生きるというのは感染症との闘いですね。
そしてひとつの感染症を制御するためには、どれだけの悲しい歴史があることでしょう。
そして研究者や専門家だけでなく、社会に広く正確に知ることが広がって初めて、こうした感染症と共存するためのリスクマネージメントがつくられていくのだと、改めて思います。


オオタカを発見して通報した人はどんな方だったのでしょうか。




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