ロウバイ

今年はなかなか梅が咲かないので、そのぶん、ロウバイに目がいきました。


1月の寒い頃にチラホラと黄色い花が目につき、その香りもまた春の到来を心待ちにさせるものです。
ロウバイの見頃になると、近くにもいくつか有名な場所があるのですが、ロウバイだけを見にいこうというほどの関心はありませんでした。


今年は、その黄色い花を見つけると、うれしくなって近づいていました。
梅を探しに行った葛西臨海公園新宿御苑でも、ロウバイの本数は多くないのに遠くからでもその黄色い花がわかり、そして風で香りが運ばれてくるのでした。


なんて素敵な花だったのだろう、なぜ今まであまり目に入っていなかったのだろうと、半世紀ほどの時間を無駄にしたように思いました。
きっと、例年通りに梅が咲き始めていたら、やはりロウバイの存在は気にならなかったことでしょう。


いつも参考にさせていただいている「季節の花300」の説明にも、「お正月頃から咲き出す。花の少ない季節に咲く、うれしい花です」と書かれています。
本当にそうだと、今年は思いました。
花のひとつひとつはそれほど目立つわけではないのですが、咲いている場所を探し出したくなる花かもしれません。


新宿御苑でも、ロウバイが数本まとまって植えられているところがあり、50メートルぐらい離れたところからもその香りがわかりました。


近づいてみて、二種類のロウバイがあることを初めて知りました。
私がロウバイだと思っていたのは「素心ロウバイ」だそうで、「季節の花300」の説明にあるように、「花の外側だけでなく、内側も黄色いのが特徴」です。
その横に、花びらが長細くヒラヒラして内側が紅色の種類が植わっていて、「ロウバイ」とだけ書かれています。


「ヤサシイエンゲイ」の「庭木などで親しまれるソシンロウバイ]に、その説明がありました。

ソシンロウバイロウバイの園芸品種とされます。黄一色で、花びらが丸っこくて芳香が強いのが特徴です。花色が濃くて遠目からでも目立ちます。
公園や庭先などによく植えられており、ヘタをすると通常のロウバイより見る機会が多いのではないかと思います。こちらを通常のロウバイと思っている方も多いかもしれません。
ソシンは素心とカキ、本来は複数色になる花色が単色になった品種のことを指します。


いやあ、本当にこちらをロウバイだとずっと思っていました。
毎年のように見ていた花でも、知らないことや目に入っていないことがたくさんありますね。
ヒヤリとすることが増えました。


それからもうひとつ、ロウバイのイメージとは違うユニークな形の実がまだ木についていました。
ロウバイは身近にあったのに知りませんでした。
花のあとに、どう変化していくのでしょうか。
定点観測をしてみたくたりました。