観察する 43 <梅の開花宣言>

例年なら12月にはぼちぼちと咲き始めている梅の木が、近所にはいくつかあるはずなのに、今年は本当に咲きません


他の場所ではどうなのかと、葛西臨海公園まで足を伸ばしてみました。
途中の電車の車窓からも、梅の花は見かけませんでした。
広い園内を散策してようやく、咲き始めている白梅を2本ほど見つけました。
一分咲きにも満たない0.1分咲き、いえ、0.01分咲きといった感じです。


この世から梅が消えてしまったのではないかという妄想をいだくほど、今年は梅の花が遅いようです。


それでも、わずか数個の花なのに、あたりには梅の香りが漂っていて幸せな気分です。
満開の水仙も堪能して、帰路についたのでした。


<生物季節観測>


ところが、19日に気象庁から「東京でウメ開花、平年より一週間早く」というニュースがあり驚きました。
私は「遅い」と思っていたのに、「平年より一週間早い」という感覚のズレは、どこからきているのでしょうか。
私の住む地域では、毎年のように12月には梅が咲き始めています。
年によっては、 12月中に五分咲きぐらいになる木もあったと記憶していますが、この開花宣言はどんな条件を基準にしているのでしょうか。


また、桜の開花宣言は春のニュースの定番ですが、梅にも開花宣言のようなものがあることを初めて知りました。
気象庁のホームページを見ると「生物季節観測の情報」があり、その中に梅がありました。
「全国の気象官薯で統一した基準によりうめ・さくらの開花した日、かえで・いちょうが紅(黄)葉した日などの植物観察や、うぐいす・あぶらぜみの鳴き声を初めて聞いた日、つばめ・ほたるを初めて見た日などの動物季節観察を行っています」と書かれています。


梅にはどんな「統一した基準」があるのかについては書かれていませんでしたが、検索していると各自治体で梅の開花状況を載せているところがけっこうありました。


たとえば世田谷区は「羽根木公園の梅の開花状況」があって、公園内に植えられている約650本の梅の開花本数を一週間ごとに数えて公表していました。
すでに12月26日の時点で12本の梅が開花していたようで、「1月16日までに開花した梅は71本で、内訳は白梅が45本、紅梅が26本です」とのこと。


私の家の周囲では、なぜか今年はまだ梅はつぼみの状態でひとつも咲いていないのですが、例年通り12月には咲いていた場所もあるようです。
私の中では「梅の開花時期は12月」なので、気象庁の基準より気が早かったのかもしれませんね。


それにしても、どんな方々が毎年梅を観察し続けていらっしゃるのでしょうか。
そしてどんな知識と経験が必要なのでしょうか。
気になっています。




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