イメージのあれこれ 16 <高齢者とは>

先日、散歩のあとにふらりと立寄ったお店ですが、会計をしようと思い出口に向かったところ、私の母と同年代の80代半ばと思われる女性が近づいてきました。
あれ?周囲に座っていたお客さんでもないし誰だろうと思っていたら、なんとお店の方で、ゆっくりとレジの前に座ると機械を操作し始めました。


タッチパネル式のレジで、字も大きめで高齢者にも見やすそうな画面です。
ゆっくりながらも慣れた感じで清算をしてくださいました。


今も賑わっている昔からの商店街にあるお店ですが、おそらく常連と思われる高齢者がけっこう一人で食事をしていて、お店の若いスタッフもご飯の量などを本人に合わせて調整していたり、さりげなく配慮が行き届いていて感じの良いお店でした。


本当は、最後のそのタッチパネルのレジを操作するおばあちゃまに一番驚いて「機械を操作できるなんてすごいですね」と言いそうになったのをぐっとこらえ、「いいお店ですね。いつからやっていらっしゃるのですか」と尋ねたら、昭和20年代からとのことでした。


<機械化は「年寄りに残酷」か>


ほどなくして、AERAdotの「スーパーの自動支払機はお年寄りに残酷すぎる」という記事が目に入りました。


私の近所にある3つのスーパーではまだ導入されていないのですが、散歩をしてふらりと入ったスーパーで最近、初めて見てびっくりしました。
ちょっとドキドキしながら自動支払機へ進むと、タッチパネル操作も簡単でした。
全てのレジではなく、従来の方法の列もあるのでどちらでも選べるようでした。


私が利用した時間帯は夕方で、比較的混雑していましたが、70代以上と思われる方々もおそらく使い慣れているのか普通に利用していました。
むしろ初めての私の方が、動揺しているように見えたかもしれません。


私が普段使っているスーパーでは、財布の中の小銭や紙幣がよく見えなくてレジの前でお金を出すだけでも時間がかかっている高齢者の方を時々見かけます。
見かねてスタッフがお金を出すのを手伝っていることもありますが、人の財布のお金に触れるのはためらいもあるでしょうから手伝う側にも負担が大きいことでしょう。
それでレジがストップしていることで、ご本人も焦り、待つ人のイライラも伝わってきます。


その点、自動支払い機なら適当に小銭や紙幣を入れても、機械が正確におつりにしてもどしてくれるでしょうから、こういう方にも気が楽ではないかと感じました。


その記事では「高齢者は機械が使えない」という前提で書かれている印象でしたが、キャッシュカードや現金自動預け払い機、クレジットカードやICカードなどが1980年代から使われて始めた時に、今の高齢者はまだ30代とか40代ですから、それ以降日常的にこういう機械を使って来ている世代ではないかと思います。


むしろ、機械によって人の手を煩わせずに済むと感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。それは、日常生活を自立できているという自信にもつながることもあるかと。


「高齢者」といっても、70代後半ぐらいの方たちはすでに「ビートルズに熱狂した世代」になるわけですし、60代ぐらいならユーミンとかオフコースとかの時代ですしね。
「高齢者」というイメージを過度に一般化しないほうがよいのではないかと、その記事を読んで感じました。


きっとじきに、高齢者施設の各居室にもネット環境が必須になるのではないかと思います。
私が老人ホームに入る頃には、ネットが使えるようにして欲しいですからね。
そして、老人ホームでもエスニック料理が選択できるとか、「高齢者」も多様化するのではないかと想像しています。




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