イメージのあれこれ 1 <「開業」とは>

おむつなし育児の情報を検索していたら、「開業保育士」と書かれているのを見つけました。


保育士さんの資格での活動の場についてはほとんど知らないのですが、助産師と同じように開業とか開業権という実態のわかりにくい言葉が広がっているのでしょうか。


保育士さんで「開業」という言葉を使うとすれば、自ら保育園を開設するとかシッター業を始めるという感じでしょうか。
ただ、その「開業保育士」を使われた方のプロフィールをみると、そういう事業を起こしたわけでもないようです。


<医療・介護職の開業>


「看護職の中で唯一開業権があるのが助産師」と教育されてきたのですが、「助産師の『開業権』とは何か まとめ」に書いたように、90年代頃から看護師の仕事も病院内ではなく訪問看護ステーションへと広がりました。
あるいは介護職の方のデイケアーなど介護施設も続々と作られて、看護や介護資格での開業形態が広がりました。


不思議と、そういう訪問看護師さんや介護士さんたちが、「私は開業看護師です」とか「開業介護士です」と名乗っているのを、私自身は目にすることはありませんでした。


医療職の中で「開業」を名乗っているのをネット上で見たのは、「開業保健師」と「開業理学療法士」という方がいた記憶があります。
保健師が独自に開業するとどんな仕事があるのか、理学療法士の場合にはリハビリステーションの経営なのか、ちょっとよくわかりませんでした。



医療の中では、訪問看護も介護も医師の診断や治療方針が核になってケアの計画が決められるので、たとえ看護師や介護士による開業形態でも、それをあえて強調する必要はないのかもしれません。


私も今から保健センターに行って「開業届」を出せば、自宅で授乳相談などの開業をすることができます。


30年ぐらい前の社会であれば、私も開業をためらわなかったかもしれません。
ところが、現代では、医学的な知識や根拠が曖昧なまま、助産師個人の経験だけで判断することがどんなに危険なことかは、医療機関で働いていてもヒヤリとすることが増えました。


授乳方法ひとつとっても、その新生児に医学的な問題がないか小児科医とともに経過を見ていくことが大事だと思いますし、乳房トラブルや産後の不調への相談もガンや疾患を見落とすことがないように産科医とともに見ていくことが必要です。
また、精神面でのサポートが必要な人が著しく増えたので、医療機関と地域の保健センターなどとの連繋も欠かせません。


もし開業するとしても、訪問看護ステーションのように、医療機関のサテライト施設として位置づけたほうがよさそうだと私自身は思っています。


「開業」を強調することには、あまり意味がなさそうに思えます。



<「現存の何かとは違う」という強い思いをこめているのだろうか>


「開業」の意味は「新しく事業や商売を始めること」「事業や商売をしていること」(デジタル大辞泉)とあります。
最近の言葉で言えば、起業というニュアンスでしょうか。


特に、もてはやされてきた「女性起業家」の、独立してバリバリと仕事をしたり、世の中に影響力を与えていくようなイメージの。



ところが、医療や介護、保育士といった国家資格でその業務範囲が規定されている職種の人が「開業」という言葉を使っているのを見ると、一般的なその職種の職場へ馴染まないとか、「現存のその職種の仕事とは違う何か」を強く求めているように受け止めるようになりました。


だから、虚像の助産師が好まれるのも、このあたりに理由があるのではないかと思っています。


おむつなし育児を広げる開業保育士さんって、何をしたいのでしょうね。



「私が見ている世界は、9割がイメージでできているのではないか」とふと思いついたのですが、「イメージ」ってなんだろうということで新しいタイトルができました。




「イメージのあれこれ」まとめ。

2. 「自然」とは
3. 実像と虚像が反転する
4. 「エビデンス」とは
5. イベントという現代の魔術
6. 自分を認識する
7. 写った自分を見る
8. 研修会に出ると勉強した気分になる
9. うーの終の住処
10. 武蔵野台地と関東ローム層
11. 公共とは
12. 除雪とは何か
13. 「生きる力」
14. 「私とあなた」の境界線を意識してきたかどうか
15. 過度に一般化された興奮
16. 高齢者とは
17. 「人を幸せにする」ための商売
18. 自然な森林と人工の森林
19. 雷
20. 水しぶきをあげると速く見える
21. 豊かさとか貧しさとか
22. 地味に花が咲き実になる
23. 村八分
24. 身土不二
25. 新田
26. 東北
27.. パンタグラフ