小金がまわる 11 <年金だけでは終の住処に入れないかもしれない>

いつごろからか、日本年金機構からねんきん定期便が届くようになりました。Wikipediaを読むと2009年からだったのですね。
それまでは、自分の年金手帳を見て何ヶ月加入期間があったか確認するぐらいで、どれだけ年金が支給されるのかは自分で複雑そうな計算式と格闘するしかなく、将来のために何をどう準備したらよいのか見当がつきませんでした。


外貨預金とか株とか、あるいはマンションを購入して老後に備えるといった話にふと惹かれそうになりつつ、やはりリスクは負いたくないと踏みとどまっていました。
なんといっても数字が苦手なので、家計簿は真面目につけているけれども、お金の計算は苦手なので、ローンだのなんだのは計算したくないのです。


公務員だった父のおおよその給与額と支給されている年金額から、私もだいたいいくらぐらいは支給されるだろうと大雑把に考えていました。


最初の頃の「ねんきん定期便」は年金加入期間だけだったのですが、いつからか「1年間の受取見込み額」も計算されて通知されるようになりました。
それはそれで助かるのですが、最初見た時には愕然としました。
予測していた金額の3分の2にも満たないのです。


父の場合は母が扶養家族にいましたから、二人が生活するには厳しいものがあったかもしれません。
ただ、年金納付額は貨幣価値の変化を差し引いても、父と大差ないのではないかと思っていました。
それなのになぜ、この額になるのかよくわかりません。


母が特別養護老人ホームのユニット型個室に入所したのですが、生活費など合わせると月に十数万円といったところです。
父の遺族年金と母の個人年金でなんとかなりそうですが、「あ〜私の年金ではこのレベルの部屋には入れないのだ」と老後への不安が一層、現実味を帯びてきました。


しかも65歳の満額でもそれくらいなのに、たった1年の違いで、64歳だと満額の3分の2しか支給されないようです。
あ〜65歳まではなんとか仕事を見つけて働き続けなければならないということですね。
もし「70歳から支給」とか高齢者の定義は75歳といった詭弁で支給開始が先送りされることになったらと、不安の妄想でいっぱいになりそうです。


ただ、時代をのろってもしかたがないので、それぞれの時代の葛藤が、次の時代を良くするのだと思って、考え続けるしかないのかなと気持を切り替えています。


女性の中では比較的高所得の看護職が40年間真面目に納付してきた年金では、そこから保険料や所得税を差し引かれると生活保護の支給額以下になる可能性というのは、若い世代の方にはあまりにも将来に夢を持てない話ですものね。



ほんと、お金って大事ですし、お金が回り回ることも大事ですね。




「小金がまわる」まとめはこちら