イメージのあれこれ  20 <水しぶきをあげると速く見える>

プールに行くと、泳ぐ前に念入りに準備体操をするようになったことは、以前書きました。


この時に、もうひとつしていることがあります。
それは、その時のプール内にいる人の状況を把握して、どのコースでどのように泳ごうか計画を立てることです。
だいたいの泳ぎ方やペースを見て、「あの人はこう泳ぐだろうから、私はこのペースで泳ごう」と見極めて、お互いに泳ぎを邪魔せずに最大限の練習ができる、そんな感じです。


それと、盛大に水しぶきをあげて泳ぐ人がいるコースは避けようと、泳ぎ方も見ています。
私自身は抵抗のない泳ぎに集中して、その結果でスピードもついてくる練習方法を模索しているので、よほど混んでいない限りは水しぶきをあげるような人を避けて、プール内のコースを転々とします。


<水しぶきをあげる方が速く見える錯覚>


どの人がどれくらいの速度で泳いでいるかは、25mを何秒で泳いでいるかという客観的な測定方法があります。


準備体操をしながら、どの人がどれくらいで泳いでいるかをプールサイドの時計で見当をつけています。
私自身は誰かより速く泳ぎたいことが目的ではなく、徐々にペースをあげながら水の中を歩くように泳ぐ感覚が再現できて、1本でもそういう泳ぎに近づけたらその日の目標は達成したという満足感があります。
そのために、プール内で泳いでいる人たちの状況を相対的・絶対的に把握している感じです。


そうして泳ぎ方と実際の速度を見続けているうちに、水しぶきをあげている泳ぎ方の方が速く見えるという錯覚に陥ることがあるのかもしれないと思うようになりました。


水しぶきをあげている方がダイナミックに見えますし、実際に、トップスイマーを見ていると背泳ぎでもすごい水しぶきで推進力があります。
ところが、それは達人の世界の泳ぎで、そのレベルに至らない段階ではトップスイマーのイメージで泳いだつもりになると、水への抵抗が水しぶきになってスピードを落としているのかもしれません。


こうした錯覚は私だけではなさそうです。
「バシャバシャと泳いでいる人は、ゆるゆる泳いでいる人よりも速い」という思い込みがあるのだろうという場面に、しばしば出会います。


人は客観的に自分を観ることが難しいのかもしれないと、なんだか他の場面でも活かせそうだなあと水の中で考えています。




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