散歩をする   91 <日本水準原点>

水準点験潮場が気になり、やはり日本水準原点をこの目で見てみようと思いつきました。
知識の習得は脇に置いて、まずはその場を見たいというレベルの関心です。


国会庭園(北庭)は、20年以上前に行った記憶があります。なぜ行ったのかも覚えていませんし、そこに日本水準原点があったことももちろん知りませんでした。
国会庭園だけなら30分もかからない散歩になりそうですから、地図を眺めながら散歩のコースを考えました。
そうだ氷川神社巡りもしようと思い、その日のコースが決まりました。


スタートは日比谷線広尾駅からです。
広尾には有栖川宮記念公園東京都立中央図書館があります。有栖川宮記念公園Wikipediaに書かれているように起伏に富んだ地形で水も湧き出ていて、80年代に初めて中央図書館を利用した時にはこんな自然が都内の真ん中に残っていることに驚きました。


今回は公園と隣のドイツ大使館の間の急な上り坂から歩き始めました。
公園内は道がジグザグに作られていましたから、ここまでこの公園に勾配があることに気づきませんでした。
ちょっと出だしから息が切れそうでしたがなんとか高台に登り、そこからしばらく歩くと麻布氷川神社があります。境内の端は崖のようになっていました。
この近くには、以前ブラタモリで放送されたがま池がありますが、あらためてこんな高台に湧き出ていた池だったことがわかりました。


しばらくすると、今後は下り坂です。オーストラリア大使館の横から外苑東通りまでは急な下り坂になっています。こんな傾斜地に大使館が建てられているのも面白いですね。
鳥居坂下の交差点を渡ると、今度は国際文化会館シンガポール大使館の間の道がこれまた心臓破りの上り坂です。歩道の一部分に階段が併設されているくらいですから。
しばらく平坦な道を歩いて六本木通りを渡ると、目の前にまた登り坂が現れます。
アメリカ大使館宿舎脇の急な上り坂を登りきると、そこに赤坂氷川神社がありました。
鬱蒼とした鎮守の森があって、首都高速から一本道を入っただけで別世界が広がっていました。


麻布氷川神社赤坂氷川神社も周辺に大きな川があるわけではなさそうですが、高台にあり、そこからの湧き水でできた池が青く地図に描かれている場所がいくつかあります。
水の神様をこの辺りに呼び寄せた時代の風景はどんなだったのでしょう。


溜池山王から国会議事堂周辺へ>


赤坂氷川神社からは、溜池山王方面へ向かって坂道を下っていきますがそれほど急ではありません。
ただ、まっすぐな道ではなく入り組んでいるので、六本木通りに出た時に土地勘のよい私にしては珍しく、一瞬、方向がわからなくなってしまいました。
ランドマークになるものが少なかった昔は、人はどうやって道を覚え、どうやって目的地にたどり着いたのでしょうか。


さて、溜池山王の窪地を過ぎると、首相官邸横にまた心臓破りの坂があります。それを登るとようやく国会議事堂が見えてきます。
予想以上にアップダウンの激しい散歩になったので、足がつりそうになりながら国会庭園北庭へ。
入ってすぐのところに、目的の日本水準原点がありました。現在は、細長い電子水準原点が建てられているようです。


海抜24.39mのところまで来るのに、坂道を登ったり降りたりすると結構大変なことがわかりました。


ここの庭園には大きな噴水の池があり、目の前には霞が関の庁舎や警視庁の建物が見えます。
あ、どこかで見た風景と思ったら、「相棒」のシーンでした。



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