観察する  58   <自然の定点観測>

近所の庭の沈丁花を毎日のように眺めて通るのですが、今年は11月5日に小さな固いつぼみが出始めているのに気づきました。
大きさにして数ミリぐらいでしょうか。
いきなり一晩で数ミリになったとは考えにくいので、やはり毎日見ているようで見ていないものですね。


11月5日に気づいたということは、正確です。
気づいた時点で、iPhoneメモをしておきましたから。
それからは、どれくらいの速度でつぼみが成長していくものなのかを気にしているのですが、3週間ほどたった今も大きさはそれほど変わらないようです。
目視だけなので「変わらないようです」と曖昧な表現なのですが、本当は定規で測ったり写真を撮って見比べたいけれども、人様の庭なので躊躇しています。


昨年は近所の庭では沈丁花のつぼみが12月初旬ですでにふくらみ始めていると書いたのですが、今年は暑さのせいでさらに早くなったのか、それとも単に、昨年も11月から膨らみ始めていたのに私自身が気づいていなかったのか、植物の毎年の変化でさえ案外といい加減な記憶しかないものですね。
来年はぜひ、花が咲き終わったあたりから毎日観察してみようと思います。


<自然は刻々と変化する>


時々、ふらりと海を見に行きたくなるので、先日出かけました。
季節外れの海ですが、やはり同じような方が数人いました。
どーん、どーんと寄せては返す波を見ているだけで、飽きることはありません。
30分ほど経つと、波が1mほどさっきよりは近づいていていることがわかりました。
満潮の時間のようです。
数分ぐらいではわからない変化も、30分ぐらいすると結構はっきりしてくるものですね。


そのときに、ふと空を見上げたら、雲も刻々と変化していました。
横にすっと長細い雲だけだったのに、波に気を取られている数分の間に、積乱雲のような塊ができています。
よく見ると、雲の変化は1〜2分単位で、新たに小さな雲の塊ができてそこから形が変化しているようでした。


自然は刻々と変化している。
何をそんな当たり前のことに今さらという感じですが、目の前で新たに雲ができている様子にちょっと圧倒されました。
こうして現象を誰かがずっと見続けて、そして知識になっていく過程に圧倒された感じです。


ただただ事実を見続ける、定点観測は面白いものですね。
結論や結果を急がない忍耐が必要ですけれど。




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