観察する 41 <季節のゆらぎ>

11月下旬から12月初旬といえば、紅葉と皇帝ダリアのような晩秋の風景のはずですが、今年は冬を飛び越して春が来たのかと思うことがたびたびあります。


近所の庭では、水仙が11月から咲き始めていたましたし、沈丁花のつぼみが12月初旬ですでにふくらみ始めています。


2014年の水仙の記事では「今年は早いようです」と描きましたが、それでも12月中旬でした。
今年は11月下旬にはポツポツと咲き始めて、12月に入るといくつかの株が満開になりそうな勢いです。
その庭だけ特別かと思いましたが、都立公園協会のつぶやきでも、やはり咲き始めている公園があるようです。


沈丁花好きな花のひとつですが、子どもの頃の私にとっては「春が来た!」と告げる花でもありました。
当時住んでいた地域は、こちらの記事に書いたように寒冷地手当てが出るような場所で、給湯器のない洗面所の水での洗面は本当につらいものでした。
春のお彼岸の頃もまだ寒く、都内にあった墓地にお墓参りに行くのを楽しみにしていました。
寒冷地から都内へ行くと天国かと思うような暖かさの中で、墓地周辺には沈丁花の香りが満ちていました。


ですから今も、1月2月の寒さまっただ中に、通勤途中でみかける沈丁花のつぼみが少しずつ大きくなることで、希望の光をみているような気分になります。
その沈丁花が12月初旬にしてもう咲きそうなので、異常ではないかとちょっと心配になりました。


2014年1月のこちらの記事では、「12月には沈丁花のつぼみが出始めていて驚きました」と書いていますし、昨年1月にも狂い咲きか早咲きかでは「結局はいつも通りの開花だった」と書いていますから、まあ、こんなものなのかもしれませんね。


それほど正確な観察ではないけれど、こうして毎年「○○のつぼみがふくらんだ」「○○が咲いた」とブログに記録していると定点観測になるとともに、なんだか毎年「今年の天候はおかしいのではないか」とおろおろしている自分も客観的に見直せそうです。



<おまけ>


今日のタイトルを「季節のグレーゾン」にしようとふと思いついたのですが、その前に一応グレーゾーンの意味を確認してみてびっくり。
和製英語とあり、英語では「gray area」で、法に関することで使われているのですね。


ということで「ゆらぎ」にしてみましたが、こういう植物の開花までの季節の幅は、専門用語ではどう表現するのでしょうか。
言葉って難しいですね。




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