羊水と胎便に関する代替療法

羊水と胎便について検索していたら、引っかかってきました。




<羊水とクリスタルボウル>

クリスタルボウルは水晶でできたいやしの楽器。
人間の精神的エネルギーの出入り口であるチャクラに対応して7つあり、奏でる波動を体感するだけでチャクラを開き、活性化します。
血液が浄化されて循環が良くなり、自己免疫力が高まります。
妊婦さんは羊水が綺麗になって赤ちゃんに最高の環境を作ってあげることができます。


日本クリスタルボウル協会http://www.7crystalbowls.jpのサイトを読むと、「心のケア」「肉体のケア」を謳っているので代替療法だと考えてよいかと思います。
チャクラはよくわからないけれど、イメージとしては澄んだ音で癒やされる人もいることでしょう。
妊婦さんが音楽でゆったりした気持ちになればそれはそれでよいと思いますが、上記の引用文は某助産院のHPというところがなんとも・・・です。


もし妊婦さんにこの効果を尋ねられたら、「羊水は2.9時間に1回は完全に交換されているので綺麗ですよ」と答えたらよいでしょう。


<「胎便の完全排泄をはかる」>


「西式甲田療法による介護」2010年9月21日の記事より
[http://plaza.rakuten.co.jp/hukohitomi/diary/201009210000/}

この胎便が生後、完全に排泄されるかどうかによって、その赤ちゃんの運命が左右されるのです。
このように重大な問題である胎便を完全に排泄するための処置を、残念ながら現代医学では認めていません。
そのため赤ちゃんは胎便を腸内にまだ残したまま成長してゆき、これによって心身両面にわたっていろいろな悪影響を受けることになってしまいます。


胎便にまで代替療法があるとは、驚きです。
胎便の黒々したあの外見は、なにかおどろおどろしい運命を想像させてしまうのかもしれませんね。


妊娠・出産・育児の周辺にも、ざまざまな代替療法があります。
「やって気持ちよかった」「楽しかった」と思う程度であれば、適度に遊び心で取り入れるのはかまわないと思います。
ただし、それが人の不安や不幸につけこんでいたり、適切な医療を受ける機会を妨げるようなことであってはいけないと思います。


妊娠・出産・育児に関係する代替療法について、特に助産師が関わっている代替療法についても今後書いていきたいと思っています。


代替医療のトリック」の「はじめに」の冒頭部分が、代替療法を考える上で参考になると思います。

本書のすべては、エーゲ海の島コスに生まれたヒポクラテスによって、今から2千年以上前に書かれたひとつの警句を指針としている。医学の父として知られるヒポクラテスは、こう述べた。


 科学と意見という、二つのものがある。
 前者は知識を生み、後者は無知を生む。


誰かが新しい治療法を提案したなら、それが効くかどうかを判断するためには、意見ではなく科学を用いるべきだとヒポクラテスは言ったのだ。科学は、真実について客観的なコンセンサスを得るために、実験や観察を行い、実地に試し、意見を戦わせ、真剣に話し合う。一度結論に達してからでさえも、もしや間違いがありはしないかと、自分が言ったことまでもほじくり返して調べ直す。それとは対極的に、意見は主観的で対立し、正しいか間違っているかによらず、もっとも宣伝のうまい者の意見が広まることになりがちだ