さつまいもの葉

先日の釈迦頭を紹介していた番組で、もうひとつ懐かしいものがありました。
それがさつまいもの葉です。


台湾の市場に売られていたさつまいもの葉を見て、「え!?さつまいもの葉は食べられるのですか?」と驚いている様子に、世代の違いを感じたのでした。
といっても私と同じ50代なら、ほとんどの日本人が「え!?」と思うことでしょう。
私の両親ぐらいの世代だと、戦時中の救荒作物の印象になるのかもしれません。


「コーヒーの入れ方あれこれ」「コヒーの味」で書いたように、今でも時々さつまいもが私の朝食になるのですが、さつまいもを見るたびに無性にさつまいもの葉を食べたくなります。


Wikipediaサツマイモの「食」には、「茎や葉も食用にでき、これらは主に炒め物や、佃煮、かき揚げなどのてんぷら素材、などにして利用される」と書かれています。
また「調理法」のところでは、アクがあることが書かれています。


私が住んでいた国ではそのままスープに入れたり、さっと茹でてトマトや玉ねぎを小さく刻んだものとあえてサラダのようにして食べていましたが、あまりアクを感じることはありませんでした。
むしろあっさりとくせのない空芯菜に似ていた印象があります。


同じ青菜の小松菜やほうれん草は、食べ続けるとちょっと飽きてしまうのですが(贅沢ですね、すみません)、このサツマイモの葉は飽きがくることがありませんでしたし、現地でも日常的に購入できる価格でした。


なんで日本ではサツマイモの葉が野菜として流通しないのだろうと、ずっと思っています。


サツマイモの葉で検索していたら、農林水産省のニュースを見つけました。
「新しいタイプのサツマイモ『すいおう(翠王)』」

従来のサツマイモの茎葉は、アクが強く苦みがあるため、食材としては敬遠されがちでした。
一方で豊富な栄養素が含まれており、また6月から9月までの葉菜の少ない時期に収穫できることから、夏場の葉野菜として利用できないものか、とも考えられていました。


わあー、ぜひ流通されるといいですね。


ちなみにサツマイモの葉を入れたスープは魚のスープでした。
玉ねぎとトマトを少量入れて沸騰させた水の中に、内蔵をとったアジのような魚を丸ごと入れて塩で味をつけただけのシンプルなものです。
最後に、サツマイモの葉をそのまま入れてできあがり。


凝った食材も調理法もなにもないけれど、あの東南アジアでホームステイさせもらった1年間は人生の中で一番おいしいものを食べていたと懐かしくなるこのごろです。