狂い咲きか早咲きか

今年の冬は、本当に暖かい日が続いています。


12月中にすでに紅梅が咲き始めていて、お正月にふらりと寄った公園では満開になっている紅梅もありました。
今年はいろいろな花の開花が早そうですね。


先日、父の面会へ行く途中、車窓から見える土手では水仙が満開でした。
けっこう高地にあるのですが、日当りが良いためか水仙が群生していて、毎年見事な花を見せてくれる場所です。


あっという間に通り過ぎそうになるぐらい限られた場所なのですが、あれっとびっくりしました。
なんと、菜の花とオオアラセイトウまで咲いていて、まるで春のようです。


病院の近くにはムスカリも咲いていたり、桜のつぼみがふくらんでいる木までありました。


いくら暖かいとはいえ、ちょっと早すぎですね。


まあ、一昨年の今頃も沈丁花が咲きそうな勢いでつぼみをつけていて、大丈夫だろうかと心配していたのですが、結局はいつも通りの開花だったので、植物にとってはちょっとした誤算範囲なのかもしれません。
どこかで、季節の帳尻を合わせている感じですね。


菜の花も房総では2月頃には咲き始める印象があるので、開花時期を検索してみたら、「時期ボックス」というサイトがあって「菜の花の開花時期について」の中に「2月1日頃〜5月5日頃」と書かれていました。
それにしてもいろいろなサイトがあるものですね。


本来の開花時期ではない頃に咲くことを表現する言葉として、「早咲き」と「狂い咲き」が思い浮かんだのですが、この2ヶ月ぐらい早く咲くのはどちらなのでしょうか。


コトバンクの世界大百科事典第2版の「狂い咲き」では、以下のように書かれていました。

帰(返り)咲きともいう。植物の開花は種によって一定の季節に定まっているが、これは日長その他の条件によって支配されている。それらの条件が乱されると、種特有の季節と異なった時に花を咲かせることがある。咲く時期が極限されているものほど、狂い咲きは顕著であり、秋に桜が咲いたりすると世間をにぎわすことになる。
開花の時期の決定は花芽の形成を誘導する機構と、開花までの諸条件を見たし続ける環境によるが、狂い咲きのみられるのが、植物個体のごく一部や特定の個体だけのことが多いことから、一定の環境条件が与えられていても、個体の条件などによって、必ずしもつねに花芽形成・展開、開花にいたる道程が完成されるとは限らないといえそうである。


「早咲き」は、同じくコトバンクデジタル大辞泉に「ふつうの開花よりも早く咲くこと」というあっさりした説明だけでした。


本来なら3月から4月に咲くムスカリは、狂い咲きでしょうか。それとも早咲きでしょうか。