アドバンス助産師とは 8 <「アドバンス助産師5562人誕生!」>

日本看護協会広報部が2015年12月15日に発表した「アドバンス助産師5562人誕生!」という報道関係者向けのニュースリリース記事がありました。


直接リンクできないようなので、そのまま全文を紹介します。
(「アドバンス助産師、日本看護協会、Explore Doc」で検索すれば見つかります)

助産師の実践能力を評価する全国共通の仕組み
アドバンス助産師5562人誕生!
CLoCMiPレベル3認証制度 初の認証


 助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベル3認証制度(以下、CLoCMiP<クロックミップ>レベル3認証制度)の承認機関である一般財団法人日本助産機構は12月25日付で初めての認証結果を公表し「アドバンス助産師」5,562人が誕生しました。申請者は5,723人で、申請者に対する合格率は、97.2%でした。
 CLoCMiPレベル3認証制度は、日本看護協会(会長、坂本すが、会員70万人)が開発したCLoCMiPを活用し助産実践能力を評価することで、CLoCMiPレベル3に達していることを客観的に認証する仕組みです。書類審査とWEB上での試験で合格した助産師が「アドバンス助産師」として認証されました。5年ごとの後進性で、助産師が継続的に自己啓発を行い、専門的能力を高めることにより、妊産褥婦・新生児に対し、安全で安心な助産ケアを提供できること、そして社会や組織が助産実践能力を客観視できることを目的としています。
 本制度は、日本看護協会を含む助産関連団体からなる「日本助産実践能力推進協議会」(日本看護協会日本助産師会、日本助産学会、全国助産師教育協議会、日本助産評価機構)が創設をすすめてきた、全国共通の仕組みとなっています。
報道関係の皆様には、この機会にご紹介いただきますようお願い申し上げます。


ということで、その後、ぼちぼちと「アドバンス助産師誕生」「5562人」という数字を目にするようになりました。


その「5562人」の都道府県別の内訳がその記事に添付されています。
今後の参考のために、記録に残しておこうと思います。
()内は「就業助産師に対する助産師の割合」です。

北海道 168人(10.2%)
青森県 32人(10.1%)
岩手県 55人 (14.9%)
宮城県 193人 (26.3%)
秋田県 18人 ( 5.5%) 
山形県 91人 (28.9%)
福島県 159人 (34.1%)
茨城県 122人 (19.0%)
栃木県 151人 (32.7%)
群馬県 20人 ( 4.2%)
埼玉県 193人 (13.7%)
千葉県 184人 (13.8%)
東京都 564人(15.4%)
神奈川県 387人 (13.1%)
新潟県 153人 (19.4%)
山梨県 68人 (29.3%)
長野県 87人 (10.9%)
富山県 92人 (25.6%)
石川県  69人 (20.5%)
福井県 47人 (21.6%)
岐阜県 96人 (16.0%)
静岡県 103人 (10.8%)
愛知県 352人 (17.2%)
三重県 113人(29.3%)
滋賀県 118人 (25.6%)
京都府 109人 (12.1%)
大阪府 524人 (20.4%)
兵庫県 183人 (13.7%)
奈良県 99人 (28.5%)
和歌山県 77人 (27.7%)
鳥取県 46人 (20.1%)
島根県 66人 (23.2%)
岡山県 72人 (15.9%)
広島県 77人 (11.6%)
山口県 89人(21.0%)
徳島県 44人 (19.6%)
香川県 91人 (31.4%)
愛媛県 37人 (12.0%)
高知県 39人 (24.1%)
福岡県  96人 ( 7.3%)
佐賀県 29人 (13.9%)
長崎県 72人 (18.0%)
熊本県 32人 ( 7.3%)
大分県 37人 (10.9%)
宮崎県 21人 ( 6.8%)
鹿児島県 100人 (18.1%)
沖縄県 93人 (22.9%)

「5562人!」と聞くと、すごい人数だという印象になるかもしれませんが、こうして都道府県別の人数をみるとまた興味深いですね。


「西高東低」ではなく「東高西低」のようにも見えますが、なにか理由があるのでしょうか。


まあ、助産師が30人から50人ぐらい勤務している大病院であれば、「このレベルに達している人はどんどん申請してください」とハッパをかけられたことは想像に難くないですから、そういう施設が一施設だけでもおそらく20人とか30人規模で「合格者」が出ていることでしょう。


都道府県間や施設間の、この制度への申請についての温度差のようなものが見えてきます。



まさか「一人前」から「中堅」以上の助産師が、各都道府県にこれだけしかいないわけがないわけですから。
むしろ、CLoCMip3のレベルに達していない助産師の割合を知りたいものです。


今回の合格者は、「就業している助産師に占めるアドバンス助産師の割合は16.4%になる」(CBNews、2015年12月28日)とのことですが、おそらく就業している助産師の中で経験例数100例以下の人の方が少なくて、少なくとも5割とか6割の人はこのレベル3に達しているのではないでしょうか。


何を認定したいのでしょうか。


(注:「3」はローマ数字なのですがうまく変換されないので「3」にしてあります)

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