「数字で表す」ことでとても印象的なものが、バーコードの出現でした。
今は当たり前のように、レジで機械でバーコードを読み込んで精算していますし、時々読み取れない時には、店員さんがそのバーコードを読みながら手で打ち込んでいく様子も当たり前の風景になりました。
あの独特の黒と白の模様が「数字」であることを初めて知ったのは、1970年代終わり頃か80年代初め頃だったと思います。
まだバーコードがごく一部の商品にだけつけられていて、ほとんどは手書きでシールに書き込まれた値札がつけられていた時代でした。
私の兄弟がちょっと特殊な仕事に就いて、当時はまだまだ一般の人には馴染みのないコンピューター関係の知識がありました。
「バーコードは数字を表している」と教えてくれたのが、その兄弟でした。
へーーーとびっくり。
その2〜3年後に働いた国際機関でさえ、まだ電話とテレックスの時代でしたし、まさかコンピューターが身近な家電になるとは思わないほどアナログの時代でしたから。
すごいな。なんでも数字にできるのだと。
それ以降、医療の中でもそれまでは「体感」でしか表現できなかったものが、次々と客観的にデーター化できるようになりました。
でも人間の感覚をまだ数値化できないものもたくさんありますね。
においもそのひとつではないかと思います。
<にんにくのにおいが苦手になった>
にんにくの香りは好きなのですが、最近、においが苦手になりました。
以前は平気で食べていた辛い物とか刺激の強い食品が、年々苦手になってきたこともあるかもしれません。
もうひとつの理由は、通勤電車の激混みの中で遭遇するニンニク臭に頭痛と吐気がするようになってきたからだと思っています。
この場合の「にんにく臭」はニンニクそのものの匂いとか調理の過程で出る匂いではなく、一旦人の体に取り込まれたあとの臭いですね。
なんとなく「ツーン」としたような臭い。
においって数値化も難しいけれど、においそのものを言葉で表現するのも難しいですね。
歩いていてすれ違いざまに臭うとか、話をしていて相手から臭うのであれば、多少距離をおけば大丈夫なのですが、電車内だとニンニク臭い人が1人乗り込んだだけでも充満していく感じです。
『新聞が楽に読める』乗車率150%ぐらいならまだ気にならないのですが、乗車率180%を越えたあたりになると気分が悪くなりそうになります。
ええ、全くの私個人の体感でしかないのですが。
まあ、私もずっとニンニク大好きだったので、さぞかし周囲にご迷惑をかけていたのだろうと思います。
誰か、「乗車率180%以上の電車に、ニンニクを食べた人が一人乗り込んだ場合の電車内の臭いの程度と拡散、そして周囲の人にあたえる影響」を数値化してくれませんか?
<においの数値化が難しいわけは?>
においの数値化について検索していたら、何の資料なのかわからないのですが「においの数値化と測定装置」という文章がありました。うまくリンクできなかったのですが、こんなことが書かれていました。
においは、臭気、臭い、匂い、香りなど、多くの表現が状況に応じて使い分けされています。しかし、においにはその質を表現する言葉が少なく、味の甘い、辛いなど基本五味に相当する言葉はありません。
このことからも分かるように、においは人間にとって非常に曖昧で数値化しづらい感覚です。それは、視覚、聴覚、触覚が主に物理量であるのに対して、臭覚と味覚では臭覚細胞が化学物質を受容することにより感じるためです。臭覚は対象となる物質の数は無限であり、特にその濃度がきわめて低く測定が難しいことが数値化を一層困難にしています。
なるほど。
たしかに、私自身も「ニンニクの香り」や「匂い」に感じることもあれば、「臭い」になることもあるわけで。
においに対しては気持ちに左右される部分が大きいこともあるかもしれませんね。
そしてたばこのにおいもそうですが、個人の感じ方の差や社会の受け止め方の変化で、においが「香り」になることもあれば公害レベルの「臭い」にもなるので、数値化しづらいことも問題解決しにくい一因なのかもしれません。