観察する 69 香りを感じない季節

今まで「匂いがわからなくなる」という経験をしたことがほとんどなかったのですが、今年は「匂いを嗅ぐ」という観察方法がとても大事なことだったのだと、いろいろと気になりました。

 

3月に入って、「匂いや味がわからなくなった」ことが新型コロナウイルス感染症と関連づけられて報じられるようになりました。風邪でもそういう症状は出そうですから、それで相談センターへの相談が殺到したら大変そうだなと思っていたら、耳鼻咽喉科学会から3月30日づけで「嗅覚・味覚障害新型コロナウイルス感染症についてー耳鼻咽喉科からのお知らせとお願いー」が出されました。

新型コロナウイルスの感染が世界中に進行し、日本においても大都市を中心に急速に広がっています。新型コロナウイルス感染症は、発熱やせき・たん・のどの痛み、体のだるさが主な症状ですが、嗅覚(におい)や味覚(あじ)も低下することが分かり、新聞やニュースで報道されています。しかし、嗅覚や味覚の障害はインフルエンザや一般の「かぜ」でも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。また、新型コロナウイルス感染症による嗅覚や味覚の障害は自然に治ることが多く、特効薬もありません。

 そして、「2週間はできるだけ不要不急の外出を 控えてください。その間、医療機関への受診は控え、体温を毎日測定し、手洗いをこまめにしてください」という基本的な対応は同じでした。

 

匂いがわからなくなっていないか、味がわからなくなっていないかに、ドキドキしていた人も多い春だったかもしれませんね。

 

幸いにして私自身は、今のところCOVID-19にかからずにすんいるだけでなく、例年なら少なくとも2~3回は風邪や花粉症から声が出にくくなったり空咳が続くのですが、今年は全く一度もそういう症状がなかったのは、何か特別の緊張状態の反応だったのでしょうか。

 

ただ、3月に入ってからマスクをするようになって、季節の変化を見逃しそうになることがしばしばあります。

気づいたらハゴロモジャスミンが咲き終わって茶色い花びらになってしまっていたり、すでにクチナシの花が咲き始めていたのに気づかなかったり。

マスクをしていると、こうした季節の香りが感じにくくなっているのか、それとも今までに経験したことのない感染症の緊張感で植物や季節の変化を感じにくくなっていたのでしょうか。

 

気温が高くなってきたので人が少ない場所ではマスクを外すようになって、外の匂いがとても鮮やかに感じられました。

無意識のうちに、嗅覚でけっこう複雑な観察をしているのかもしれませんね。

 

 

 

「観察する」まとめはこちら

新型コロナウイルス関連の記事のまとめはこちら