ピーマン

ピーマンは子どもの苦手な野菜の筆頭にあげられることが多いのですが、私はピーマンが大好きでした。


子どもの頃はまだ青椒肉絲はなくて、ガス火で焼いて醤油をつけただけとか、油で炒めて塩こしょうといったシンプルな料理でしたが、夏休みの記憶とともに思い出す旬の野菜でした。


今では1年中、一袋100円前後で買えるので本当に重宝しています。


このピーマンも、日本に広がってからまだ日が浅い野菜のようですね。
Wikipediaピーマンの説明には、「日本の一般家庭で広く普及したのは、第二次世界大戦後の1950年代以降である」と書かれています。
私が生まれる少し前の時代から広がり始めたようです。


その「代表的な料理」をみると、サラダ油が高価だったり、生野菜をあまり食べなかった1960年代なら、「網焼きにする」ぐらいしかなかったかもしれないですね。

ピーマン自体の味が子どもの味覚に合わないだけでなく、調理方法が限られていたことも、この「新しい野菜」が当時の子どもに受け入れられなかった理由かもしれません。



そういえば、1980年代に東南アジアで生活したり旅行をした時に、暑い国なら1年中手にはいりそうなきゅうりがあまり食べられていないように、このピーマンもお目にかかることがありませんでした。
熱帯の気候が栽培には適していないのでしょうか。


<ピーマンの売られ方>



子どもの頃、1960年代から70年代はまだ野菜は八百屋さんで買っていたので、ピーマンを1個ずつ選んで買っていたのだと思います。


70年代後半ごろから、地方都市にもスーパーマーケットが広がって、野菜もまとめて買うようになりました。
スーパーマーケットでは、バラ売りをしていることもありますが、ビニールの袋に入って売られるようになりました。


この袋詰めされたピーマンを出荷していた方のインタビュー記事がありました。
平成元年から栽培を始めた山口県の農家の方のようです。

朝早くから収穫・調整をした後、大きさに分けて袋詰めまで自分たちでおこなっていたため、そんなにたくさん作ることができなかったのである。「ホントに大変じゃったんよ!」と、昔を振り返りかや(木へんに百)さんは言う。

平成9年にピーマンの選果場ができて、栽培に専念できるようになったことを樹に面積を増やし、今現在は5セのハウスで栽培している。

収穫から袋詰めまでの様子を読むと、無造作に買物かごに入れていたことを大いに反省です。


ひとつの野菜にも、その栽培が始まってから安定して出荷できるまでのいろいろな試行錯誤の連続ですね。




<腐らなくなったピーマン>



1970年代終わりごろには見かけるようになった袋詰めのピーマンですが、いつごろからか、ピーマンが腐らなくなって驚いています。


「いつでも使えるように」と安い時に買って冷蔵庫に入れたまま、忘れてしまうこともしばしばあります。
「ああ、ぐちゃぐちゃになっているのだろうな」「カビが生えているのだろうな」と恐る恐るとりだすと、そこには買ったときに近い状態のピーマンがいるのです。
最高2週間以上、放置していたのですが、切ってみると中の種が少し茶色くなっているぐらいで、全然平気でした。


食べものが腐らないというと、すぐに不自然だとあらぬ疑いをかけられてしまうのですが、これはピーマンの袋の保存性が改良されたからですよね?
少し検索してみたのですが、資料らしい資料が見つかりませんでしたが。


ピーマンに限らず、野菜を包んでいる包装のためか、以前に比べて野菜の日持ちがよいようです。