食べるということ 73 なす

ほんとうに「またお会いしましょう」が現実になって、さっそく録画しました。

 

一回目は今までの始まり方と違って、過去に撮影したことがあるお店でご飯を食べているシーンからでした。

こういうところに、「孤独のグルメ」を作ってくださっている方々のお店への敬意が出ているのかもしれませんね。

 

「ヘルシー志向がなんだ。こうして揚げ物を食べられるのが健康の証」と、ヒレカツ、クリームコロッケとエビフライまで注文して食べるシーンに、またこちらもつられてしまいました。

最後の方で、なすの揚げ浸しの小鉢が映りました。

あ〜なんという偶然!

録画を見ながら、ちょうど食べていたのでした。

たくさん作って明日の分にと思っていたのに、ついつい全部食べてしまったではないですか!

 

なすの揚げ浸し、好きなものの一つで夏になると頻繁に作っています。

私の場合、揚げるのは片付けが面倒なので油で焼いて煮浸しですが。

 

 

*なすと油*

 

1980年代か1990年代ごろはまだ、なすはきゅうりと同じく夏にしか食べられない野菜だった記憶があります。

 

子どもの頃は、なすの調理法というと漬物かお味噌汁に入れるかぐらいだったのですが、次第に母の作るバリエーションが増えたのが1970年代でした。

輪切りにして両面を油で焼いて醤油につけ生姜や鰹節をかけたものは、28℃ぐらいでも夏バテしてご飯が食べられなくなっていた高校生ぐらいまでの時にもご飯が進みました。

同じ頃に食卓に上るようになったのがなすの揚げ浸しと、なすのはさみ揚げでした。

これもサラダオイルが日常的に使える価格になったからかもしれません。

あの頃から、なすは子どもにとって地味な野菜ではなくなり、ボリュームのあるおかずに変身したのだと思い返しています。

 

今は一年中、なすを食べたい時に買えるようになりました。

それでも、散歩の途中で露地栽培のなすのあの薄紫の可愛らしい花をみると、ああもう少しでなすをたくさん食べられると嬉しくなります。

 

 

*なすのトリビア

 

母も家庭菜園でなすを栽培していましたが、見ていたようで、やはりなすについてもほとんど知らないことばかりです。

検索してみたら、農林水産省の「どうやってつくるの?」というサイトがあり、「苗をつくる」「接ぎ木」「植えつけ」など書かれていました。大人向けだと思って読んでいたら、「子どものための農業教室」でした。

「収穫」に「花が咲いて15~20日ぐらいたつと、収穫できます」とあって、ほんと、こんな基本的なことも知らずに食べていました。

 

その中でちょっと「目から鱗」だったのが、なすの葉の説明です。

葉は日光がよく当たるように、かさなり合わないようについていて、大きさもまちまちになっています。日本では冬になるとかれてしまう一年草ですが、インドでは2mぐらいまで大きくなります。 

「日光がよく当たるように、かさなり合わない」という観察もすごいのですが、木か草か、インドのなすを見てみたいものです。 

 

もうひとつ、興味深かったのが以下の箇所でした。

江戸(えど)時代には 、初なすを少しでもはやくつくろうとする技術もはじまりました。あまりに高い値段(ねだん)で売り買いされたために、幕府(ばくふ)が禁止令を出したこともあったようです。

 どんな方法だったのでしょう。

植物の生活史を観察して育てる技術を改革するのは、ほんと、気が遠くなるような作業ですね。

 

 

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