水のあれこれ 57 <地震とプール>

2月初旬に都内で少し雪が降った日がありました。
河童族は雪の日とお盆休みの大雨の日にはプールに来ないという法則性を見いだしたので(適当)、絶対に空いていると予想して泳ぎに行きました。
大正解でした。
最初は私を含めて3人しかいなくて、しばらくしたら一人でプールを独占できた時間が30分ほどありました。


30年くらい前に泳ぎ始めた頃は、プールに2〜3人ぐらいしかいないとなんだか心細くて、自分だけになってしまわないようにそそくさと退場していました。
思えば(精神的に)強くなったものです。
むしろ今は、一人で泳げるなんてチャンス!と感じています。


一人でプールを独占できると、他の人の泳ぎや動きでできる水の抵抗を気にしないで、泳ぎに集中できます。


ただ、この日は満足感だけではなく、ちょっと別のことを考えながら泳いでいました。


「らばQ」というサイトの「『ネパール地震、揺れた瞬間にスイミングプールで起きたこと・・・』怖さが実感できる話題のシーン」(2017年1月29日)の動画から、もし泳いでいる時に大きな地震がきたらどのような状況になるのだろうというあたりを考えて、黙々と背泳ぎで泳いでいました。


そういえば、東日本大震災の時にはプールの天井が崩落した事故のニュースがありましたが、幸いなことに死傷者もなかったと記憶しています。
「らばQ」の動画を見ると、揺れに気づいた人たちがプールから出ようとした時にはすでにプール内で大きな波が起きて、波にもみくちゃにされています。


「そうか、地震の揺れでプールの水はこんなことになるのか」と、虚をつかれました。
それほど、あの東日本大震災の時には、プール内での事故や状況の報道を耳にしたことがありませんでした。
プールの構造上の違いなどがあるのでしょうか?
それとも同じ様な状況を体験された方々も、日本国内の地震の際にもいらっしゃったのでしょうか。


動画ではプール内に数人しかいませんが、何十人も入っている大混雑時には、人と人がぶつかって死傷者がでる可能性もあることでしょう。


ますます、災害時に泳げることが意味があるのかという答えのない問いが増えました。


あるとすれば、日頃から少しは水の中での動き方を知っているということぐらいでしょうか。


そして、泳ぎに行くと相変わらず「日日是好日」の気分なので、「今地震が起こったら」なんてほとんど考えることもなくリラックスしていますから、もし動画のような状況になったらそれはそれで仕方が無いという諦観ができたくらいでしょうか。


いやあ、それにしてもあのプールの波の中ではどのように対応したらよいのでしょうか。




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