観察する 23 <梅>

いつ頃からか、桜よりも梅の方が春の花として好きになりました。


桜の、1週間程度であっけなく散ってしまうあわただしさと、その間、日本中が桜に狂喜乱舞している雰囲気がちょっとわずらわしく感じるようになったことが、理由のひとつです。
その点、梅はまだ寒い真冬にちらほらと咲き始め、あちこちで少しずつ時期をずらしながら満開になり、ゆっくり散って行くことに安心感を感じるようになりました。
まあ、これは好き好きといった気持ちの話ですし、もちろん桜も植物自体は好きですが。


向島百花園では、梅にそれぞれ名札をつけてありました。


梅が好きといっても植物学的な知識はほとんどなく、「白梅」「紅梅」の区別と、梅干しで有名な「南高梅」ぐらいしか認識していませんでしたが、すごくたくさんの種類があって驚きました。


それで、他にも梅が見頃な公園をいくつかまわり、名前を記録してみました。

鴛鴦梅、白加賀、冬至梅、初雁、唐梅、月影、八重梅、はなかみ、べにちどり、おもいのまま、鹿児島紅、鶯宿、八重揚羽


Wikipedia梅の主な品種を見ると、まだまだ他にもあるようです。


少し見慣れてくると、枝や花の違いがなんとなくわかりましたが、それでも名札を見ないと私には識別できないほど同じように見えます。
もし梅の花を描くように言われたら、Wikipediaの「梅の図案」のような絵しか思いつかないのですが、ボタニカルアートで描くとなれば私にはとても無理そうです。
近くでしばらくそれぞれの種類の花をながめてみましたが、なかなか明確な違いが見えてきませんでした。


それぞれの梅にかけられた名札を見たことで、たくさんの人が長い時間をかけて梅を観察し、品種改良を重ねて来たことが実感として初めて感じられたのでした。




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