春になるとほっとすることがあります。
それは、街ゆく人の服の色が黒から色とりどりなものへと変化することがひとつ。
冬物のコートは高価なので、汚れも目立たずにまた急なご不幸やかしこまった場に着ていける理由で黒を選択される方が多いのかもしれません。
もちろん色は好き好きですから、黒が好きとか落ち着くので黒っぽいコートを選択する人も多いのかもしれませんが。
でも葬儀には黒というしばりがなかったら、日本の冬はもっとカラフルでおしゃれな風景になるのではないかと思ったりしています。
もうひとつは、電車内でヘビースモーカーのような臭いに悩まされる頻度が減ることです。
たぶん、あれはシーズン中に何度もクリーニングに出すことのないコートに、タバコの臭いがしみ込むためだろうと推測しているのですが、どうなのでしょうか?
ご本人が吸わなくても、職場などでしみ込むこともあることでしょう。
スプリングコートへと衣替えし始める2月終わり頃から、そういうタバコ臭い人と遭遇する確率が減ってくる印象です。
ほんとうに、においというのは本人にはわかりにくいことがタバコの問題の難しさかもしれませんね。
<建物内禁煙だけでは不十分ではないか>
このところ、屋内禁煙法がなにかとニュースになっています。
オリンピックとか、「外国から見たらおかしいよ」という機会がなければなかなか大きな変化がおこらないのも寂しいものですが、客観的になるというのは個人の問題でもまあ難しいことですからね。
せっかくおいしそうなお店だと思っても、ドアを開けた途端、ああだめだと引き返すこともあります。
食べたり飲んだりする場所が、基本、禁煙になれば私個人はとてもうれしいです。
ただ、すでに「屋内禁煙」になっている場所の状況を考えると、その法律だけではあまり変わらないかもしれないと心配です。
渋谷の渋谷ちかみちを時々利用しています。
たしか、副都心線と東急東横線がつながった2013年あたりに、「渋谷ちかみち」も整備されたと記憶していますが、地上の歩道からあふれそうな人の流れを避けることもできますし、信号待ちもなく雨に濡れることもなく便利です。
一番助かったのは、歩道脇の屋外の喫煙所の横を通らなくてすむことでした。
ところが、最近、この「渋谷ちかみち」がだんだんとどこからともなく漂うタバコの臭いが強くなって、むしろ地上のほうがましではないかと思う日もあります。
このちかみちには授乳用ラウンジもあるというのに。
このタバコの臭いはどこからくるのでしょうか。
あるいはデパートなどでも、ある場所ではとても強いたばこの臭いがします。
外の喫煙所から流れ込んだり、職員の休憩所でもあるのでしょうか。
まさに、「ある場所にだけ放尿を許されたプールのようなもの」ですね。
たばこの臭いを感じる人がいくら「ここはタバコ臭い」と訴えても、臭いを感じにくくなっているひとには伝わらないようです。
そのにおいの理由になる物質がどれくらい空気中にあるのか、場所によってどれくらい差があるのか。
そのあたりを数値化しないと、わかってもらえないのかもしれません。
公害について正確に測定して制御してきたこの国なのに、たばこの臭いの検知器もないのかなと思っていたら、ちゃんとあるようです。
厚生労働省の「受動喫煙防止対策に係る測定支援 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(技術支援)」で、測定器の貸与をしているようです。
たばこの煙の濃度及び喫煙室の換気の状態を把握し、職場における効率的な受動喫煙防止対策を行うために必要な測定機器として、デジタル粉じん計、風速計、一酸化炭素計の無料貸与を行います。
これでどの程度把握できるのかよくわかりませんが、まずはあの歩道脇の屋外喫煙所とか、その周辺の濃度やその流れを国が率先してデーター化してくれたらありがたいですね。
そうそう、あの踏切脇に喫煙所を設置するのも禁止にして欲しいものです。
そのデーターをもとに、吸いたい方が安心して吸える環境を考えたら良いのではないかと思うのですが、たばこの話になるとなんだかいつまでも煙に巻かれている感じですね。