観察する 29 <タチツボスミレの閉鎖果を見つけた>

土手に這うように咲いていたタチツボスミレを見つけたことから、初めて「夏や秋の花粉のない花」の存在を知りました。


その後、偶然に「植物多様性センター」(神代植物園)の5月11日のtwitterに「タチツボスミレの閉鎖果がこんなに大きくなっていました」と写真が載っていたのを見つけました。
タチツボスミレの生活史の一端を見ることができて、ちょっと感動しました。


その後、じきに父の面会のためにあの土手のそばを通りました。
わずか1週間で、辺り一面夏草が生い茂り、もうタチツボスミレの存在も感じられないほどです。


ところが、あの土手の苔の上のスミレに、なんとその閉鎖果があるのを見つけました。


ずっとずっと半世紀以上もこのタチツボスミレが大好きだったのに、これを見たのは初めてです。
見ているようで目に入っていないこと、知っているようで知らないことのなんと多いことでしょうか。


ね?皆さんも、どんなものか見てみたいですよね。
そう思って、「閉鎖果、タチツボスミレ」で検索して写真を探してみました。
「白岩先生の植物教室」というサイトの「花が咲いた後のスミレ」がありました。


そうこの白っぽい緑の花でした。

スミレは花が咲いた後はほとんど実を結びません。花の時期が終わると、閉鎖花(へいさか)といって花の開かない(つぼみの状態で自家受粉する。これを閉花受精という)花ができ、その中で種子をつくり、熟したものがはじけて飛び、生えて増えます。

この説明の中では、「閉鎖果」ではなく「閉鎖花」になっています。
その「閉鎖花」のリンク先の用語集には、「花が開かずつぼみだけの状態で終わる花」になっているので、やはり花なのでしょうか。
でも検索すると、「閉鎖果」を使っている文章もけっこうあります。
どちらなのかは、今後の宿題としましょう。


その「白岩先生の植物教室」を読むと、まだどうして閉鎖受粉をして種子をつくるのかはわかっていないようです。


また、「<考えられること(仮説)>」にはこんなことが書かれています。

*少し難しいことですが、閉花受精ばかり続けていると、同じ仲間ばかりになり心配が生じます。(難しい言葉ですが、「遺伝的な多様性がなくなる」からです。)

人間の生殖もわからないことばかりだなあと考えていたら、めまいがしそうになったのでやめておきました。





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