観察する 34 <蓮>

不忍池の蓮を見ていたら、そうだ、水元公園に行こうと思い立ちました。
前回は真冬だったので、池は薄氷が張っていて一面茶色の世界でしたが、今なら見頃のはずです。


暑い日だったので、体力温存のために金町駅から公園まではバスに乗りました。
なんといっても広大な公園ですからね。


真冬とは違い、大きな葉を広げた蓮が池を覆い尽くしていました。
今回は、この小合溜の端から端まで歩いてみました。
東側にある蓮の池だけでなく、西側にもずっと蓮が広がっている場所があります。
出かけたのは午後でしたが、たくさんの花をみることができました。


蓮の花については、おそらく両親の仏教の影響もあって、いつのまにかその花や葉のことを知っていて、子どもの頃から馴染みのある植物でした。
そして蓮根は私の好きな野菜なので、蓮根の生産地がテレビに映ると食い入るように見てしまいます。


実物の葉を見る機会はあっても、花を実際に見た記憶はほとんどないのですが、それでも「蓮を描け」と言われたらささっと描けそうと思っていました。
それに、先日、不忍池で蓮を間近で見ていましたし。


ところがまた、今まで蓮の葉について大きな思い違いをしていたことに気づきました。
蓮の葉というのは、不思議な形をしているのですね。
Wikipediaハスの説明に「葉は円形で葉柄が中央につき」とあるように、円錐形を逆さにして広げたような形です。
そしてちょうどその時、パラパラと通り雨があったのですが、まさに「撥水性があって水玉ができる」状況を見ることができました。


漏斗のような形をしていますが、葉の中央には水が通り抜けられるような部分はありません。
どんどんと雨が中にたまったらどうなるのだろうと気になりましたが、残念ながら雨はすぐに上がってしまい、その様子をみることはできませんでした。


葉柄があの大きな葉が揺れる時のクッション役になって、風や重みに揺れながら中にたまった水を落としていくのでしょうか。


蓮の葉ひとつをみても、不思議な植物ですね。
里芋とかフキの葉のイメージを持っていましたが、むしろそれは蓮ではなく睡蓮の方のようです。


Wikipediaの説明にハス科とスイレン科があることが書かれていますが、今までずっと「ハス=スイレン」だと思っていましたし、「スイレン」も「水蓮」と書くのだと思っていました。
いやはや、また冷や汗ですね。


それにしても蓮根だけでなく、葉や茎、花や種まで余すところなく食用になるのですね。
「ハスを国花としているベトナムでは、雄しべで葉茶に香り付けをしたものを花茶の一種である蓮茶として飲用する」とありますが、ベトナムについても知らないことばかりです。



もうひとつ、蓮で驚いたことがありました。
「季節の花300」に蓮の花托ができるまで定点観測した写真がありますが、あの大きな花托になるまでわずか数日の変化のようです。


いつか、蓮の池にずっと座って、この変化を見届けてみたいものです。





「観察する」まとめはこちら