水のあれこれ 72 <水中と陸上の筋肉>

かれこれ30年近く泳いでいますが、「お肌の曲がり角」よりも「筋肉の曲がり角」ということで、腰痛予防と全身の筋力の維持が目的で始めました。
腰痛はほとんど再発していないのでかなり目的は達成されていると思いますが、全身の筋力の維持になると、泳ぐだけだとちょっとアンバランスかもしれないと、最近感じるようになっていました。



10月24日にNHKの「グッと!スポーツ」という番組で、シンクロナイズドスイミング乾友紀子選手が「水中にいるほうが楽」「一日の3分の2ぐらいが水の中のような生活なので、陸上で立ったり座ったりしていると疲れる」というような話をされていました。
水中の浮力がなくなるとつらくなるなんて、まるで人魚のような生活ですよね。


でも、世界のトップクラスの選手の方と一緒にするのはおこがましいのですが、そうそうそれが「アンバランス」と感じている感覚かもしれないと思いました。


抵抗のない泳ぎがつかめてくると、キックをしなくてもストリームラインとローリングだけの省エネ型の泳ぎでもスーッと前に進みますし、スピードも出るようになります。
まして、中高年は心臓への負担を考えるとバタバタとキックする無酸素運動的な泳ぎ方は避けた方がよいと思っています。
そのあたりを極めていくと人から魚に進化した泳ぎになっていくのですが、上半身で泳いでいる感じで、脚の筋肉にはあまり刺激になっていどころか、退化してしまうのではないかと妄想のような不安があります。


足の形がペンギンの足のようになってまるでフィンをつけたようになってきたのも、やはり進化ではなく、足の老化や退化なのではないかと、漠然と不安に感じていました。


水の中と陸上では筋肉の使い方も維持の仕方も違って、水泳だけで全身の筋力を維持するのは難しいという課題がこのところあったのでした。


ここ2年ほど散歩をするようになり、特に高低差があるような場所も歩くことと、最近では歩数計でどれだけ歩いているかのデーターも客観的になりました。


泳いだ後に歩くと思うような距離を歩けないこともあるので、泳ぎに行く日を少し減らしてその分、徹底的に歩く日に変えてみました。
結果、歩くように泳ぐ感覚がつかめるようになったような気がします。
今までと同じように、水中で軽くキックしてもさらに推進力がついた感じがあります。


競泳の選手の方々がドライランドでの練習に力を入れている話に、「筋肉が重くなると泳ぎにくくなるのではないか」と思っていたのですが、体幹から脚・足の筋肉は抵抗のない泳ぎには不可欠なのかもしれないと実感するこのごろです。


散歩の楽しみが、筋力アップだけでなく抵抗のない泳ぎにつながって、一石三鳥かもしれません。



ただ、抵抗のない泳ぎでスピードが出るようになってくると、「シンクロの選手は、これにさらに踊ったりジャンプをしたり笑顔を見せるのだから、すごい全身運動だな」と、畏敬の念に近いものを感じます。


いやはや、筋肉って不思議だしおもしろいですね。




「水のあれこれ」まとめはこちら