自分の街も落ち着いた街で捨てたもんじゃないと感じる理由に、もしかしたら梅の木があるからかもしれません。
ふらりと1時間半ほどの近所の散歩でも、あちこちの庭から梅の花の香りが漂っていました。
花が少ないこの時期に、白や紅や薄桃色の花がポツポツと咲き始め、満開になっていく風景は本当に美しいものです。
そして花が終わると梅の葉が出て、ちょっと存在感が薄くなります。
でも、この風景に慰められてきたのだと、年ごとにいつ頃からか梅が好きになっていきます。
梅が少し遠くに見えると、歩いたこともない路地に入り込んでそばへ引き寄せられていきました。
それにしても、どの梅も本当によく手入れがされています。庭木の梅がここまでになるには何年、いえ何十年かかるのでしょうか。
残念ながら、近所も代替わりで建て替えが進んでいる場所では梅の花がほとんどありません。
1990年代半ばだと、まだ23区内でもまだ梅を栽培している場所がポツポツと残っていたのですが、最近ではみかけなくなりました。
そうそう、井の頭線の車窓から見える駒場東大の敷地内の梅林も、いつ頃からか3分の2ぐらいに縮小されていてショックを受けました。
住宅街で梅の花を楽しむことができたのも、そこに住む方々が手間暇かけてくださっていたからこそですね。
10年後には、このあたりの梅はどうなるのでしょうか。
ちょっと心配になりました。
「10年ひとむかし」まとめはこちら。