思い込みと妄想 39 <ロータスさんの思い込みから始まった?>

畝山千賀子先生の先日の食品安全情報blogの中でロータス・バースの記事があり、以前書いた「ロータス・バース・・・胎盤を残したままにする」という記事にトラックバックをいただきました。


カタカナでロータス・バースと書いたものを読んだだけでは気づかなかったのですが、英語だと「lotus birth」だと思っていたので、蓮は幻想的なので子宮とか人生とか自然とか妄想を起こさせるのだろうと思っていたのですが、これは私の勘違いであり思い込みであることがわかりました。


冒頭のロータス・バースの記事では「lotus birth」と小文字で綴られている箇所もあるのですが、途中、Dr. Jen Gunter氏の記事がリンクされていて、その中にこんな箇所があります。

The actual origin go the "lotus birth" seems to belong to someone named Claire Lotus Day who in 1974 heard that chimpanzees did not sever the umbilical cord after birth, humans should totally do it ! that is the extent of it. Really.


なんと、ロータスさんという人名から来ているのですね。


その「Claire Lotus Day who in 1974」をクリックすると、「Easy Birth」という団体のサイトの「Lotus Birth」がリンクされていて、1974年に野生のチンパンジーの研究をしていたロータス氏が、チンパンジーは臍の緒を切ることもなく自然に胎盤とともに取れるまで過ごしていることから閃いたような話が書かれています。


「パリの伝統的慣習にもある」なんていうのもいい加減な話だった可能性もあるのですね。
それにしても、蓮のエキセントリックなイメージにぴったりとくるこの発想に、同じ名前の人が始めたという偶然だったようです。
ですから正式には、「Lotus Birth」という大文字が正しいのかもしれません。



その「Easy Birth」では、ロータス・バースのメリットとか、なぜみんなが選ぶか、具体的な方法などがざっと見たところでは肯定的に書かれています。
また、"Lotus Birth Campaign"について書かれていて、「臍帯血幹細胞の研究を支持しない」という運動へと変化しているようです。


「Easy Birth」はアメリカ、アリゾナ州助産師個人のサイトのようですが、今も水中分娩を勧めていたりするようなので、どの国にも一定数、こうした助産師が根強くいるのはなぜなのだろうと不思議です。


そしてどうして、こんないい加減な話が新生児の命と引き換えに、一部のお母さんたちの心を掴んでしまうのか。


ヒト以外の動物には、思い込みとか妄想による失敗ってあるのでしょうか?




「思い込みと妄想」まとめはこちら