運動のあれこれ 25 「革命」の意味

「あ〜」とか「う〜」っといった喃語から、私が初めてしゃべった言葉は何か聞いたことがないのですが、数十年生きていると本当に数多くの言葉を覚えたり聞いて過ごしてきたとふりかえっています。

青年期のように新しい言葉を吸収していくだけでなく、同じ言葉なのに10年後には違う意味になることも実感しますし、昨日の「セレブ」のように使われ始めた時代の雰囲気が記憶に残っていたりします。

時々、言葉の意味を問い直す 時間が必要だと思うこの頃です。

 

「革命」も、世代によって、あるいはどんな立場かによってもこの言葉から感じたり想起する歴史が全く異なるかもしれないですね。

 

コトバンクの「デジタル大辞泉」では、以下の4つの説明がありました。

1 被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。フランス革命ロシア革命など。

2 物事が急激に発展・変革すること。「産業革命」「流通革命

3 古代中国で、天命が改まり 、王朝が変わること。

4 陰陽道(おんみょうどう)で、辛酉(しんゆう)の年のこと。争乱などが多いとされて、改元などが行われた。

 

同じコトバンク日本大百科全書(ニッポニカ)の「革命の歴史」には以下のように書かれています。

 P・カルバートの研究に寄れば、革命の概念は古代エジプトに起源を持ち、(1)権威への挑戦、(2)支配者の打倒、(3)社会的解体、(4)権威濫用に対する反動、(5)憲法上の変化、(7)発展の不可避的段階、(8)理想的秩序の永遠の属性、(9)心理的はけ口、といった含意を歴史的に付与されてきたという。しかし、国家権力の質的転換としての政治革命についての先の規定に立つならば、近代における諸革命、イギリスのピューリタン革命(1640~60)、名誉革命(1688)、アメリカの独立革命(1775~83)、フランス大革命(1789~99)、七月革命(1830)、二月革命(1848)、ドイツのベルリン・ウイーン三月革命(1848)、十一月革命(1918)、ロシアの第一革命(1905)、二月革命(1917)、十月革命(1917)、中国の辛亥(しんがい)革命(1911)、中国革命(

1949、建国)、トルコ革命(1922)、スペイン共和国革命(1931)、キューバ革命(1961、社会主義宣言)、イラン革命(1979)、東欧革命(1989)、ソ連解体(1991)などが、重要な事例となる。

 

いやあ、けっこう革命があったのですね。二月革命十月革命が二回あったなんて、たぶんこの辺りの近代の世界史は高校の授業でも駆け足で教わったところなので、ほとんど記憶にありません。

さすがにおとなり中国の革命は習いましたし、キューバ革命についてはチェ・ゲバラの本を読み、イラン革命あたりからはリアルタイムにニュースで断片的にですが記憶にあります。

 

この1970年代から90年代初頭までの、「革命」の意味の変化が上記に続いてまとめられていました。

近代諸革命は、巨視的にみると、封建制から資本主義への移行を導いたブルジョア民主主義革命の段階から、資本主義から社会主義への移行を意味する社会主義革命 の段階へと歴史的に転化してきたが、1989年の東欧革命以降、現存社会主義の再資本主義化がおこった。

 

ああ、これだ!

まるで反動から反動のイデオロギーなのに、同じ「革命」と表現されることの意味が、すっきり説明されていたのでした。

そして私が「革命」から感じ取る意味は、このあたりの時代です。

 

でも、これ以降生まれた人たちにしたら、もしかしたら「産業革命」とか「技術革命」といったニュアンスの方が強いのかもしれませんね。

 

 

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