静岡に宿泊した夜、ちょうど富士山世界遺産めぐりの番組を放送していました。
首がない仏像とか体を破壊された仏像が映り、神仏分離や廃仏毀釈運動、六根清浄といった言葉が聴こえてきました。高校時代、駆け足で教わった明治以降の歴史です。
翌朝は午前中は晴れていても、低気圧の通過で次第に天気は荒れ模様の予報です。
8時前に静岡駅のバスターミナルから、最初の目的地に向かうバスに乗りました。
*静岡市の北部にある遊水池*
安倍川上流を見に行こうと思って地図を眺めているうちに、安倍川左岸の駿府城にほど近い場所に大きな遊水池がいくつかあることに気づきました。
安倍川から取水して静岡市内への水源にしているのだろうかと思ったのですが、よくよく見るとその遊水池と川の間には山があるようです。
安倍川とは全く別の流れで、北部の山からいくつもの小さな川が流れ込んだ場所のようです。
あさはた緑地という公園らしい場所に目が行きました。けっこう広い敷地の公園の中に遊水池があり、間に静岡県立こども病院と静岡てんかん・神経医療センターを挟んで、東側にまた遊水池があり、その二つの下流にもう一つ遊水池らしい場所があり、その3つがハート形のような場所です。
ここを見てみたくなり、麻機(あさはた)行きのバスに乗りました。
ちょうど通勤時間ですぐに満員になりましたが、静岡日赤のあたりで大半の人が降りました。駿府城の美しいお堀のそばを通り、まだ駿府城からそう遠くない場所にある高校には「浸水から守る」という表示がありました。
市内を回りながら少しずつ郊外へと風景が代わりました。
左手は賤機(しずはた)山が安倍川との間をさえぎるように続いています。
右手は住宅地が広がっているのですが、東へと少しずつ緩やかな下り坂になっていて、水路や小さな水門があちこちにあります。
次第に山に沿った道路の両側に家があるだけで、右手は田畑だったり遊水池だったりという風景になり、8時33分に麻機に到着しました。
*あさはた緑地公園へ*
バス停の前に、わずかに水が流れているコンクリート張の深い水路がありました。その横の歩道を歩いていくとじきに畑が広がる場所になり、しだいに水量も増えています。
15分ほど歩いたところで、公園らしい場所に到着しました。
東側には少し小高い場所に病院があり、南側には静岡市中心部のビルがそれほど遠くないところに見えました。
公園は広々としていて、池や沼のような場所に歩道があり、蓮の池もあるようです。
周囲の道路の方が一段高く、地図のようにハート形に低地が広がっていました。
県道74号線に出ると、先ほどの小さな水路は大きな川になり、東へと流れています。
県道の南側にある遊水池も遊歩道がありました。
こちらは広い貯水池になっていて、周囲の木々や水草が美しく、カモや白鷺が静かに泳いでいました。
遊歩道を南西に向かって歩くと、先ほどのバス路線の道に出ました。
ここもまた周囲の住宅地が一段、高い場所にあります。
バスに乗って静岡駅へと戻りました。西の方に少し雨雲が近づいていましたが、なんとかここまで天気が持ってくれました。
静岡市役所前の説明板の「安倍川の流路変更」の図では、このあたりに大きな「浅畑沼」があり、賤機山にそって北川が駿府城の近くまで流れ、東側からは巴川が出て、途中二手に分かれて駿府城の方と清水の方へと流れています。
駿府城周辺は、旧安倍川からの洪水だけでなく、北部からの洪水もある場所だったようです。
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