助産師教育ニュースレター 4 <全国助産師協議会とは>

助産師教育ニュースレターの中ではどのように「世界の助産師」が紹介されているか書く前に、ニュースレターを出している全国助産師協議会についてみてみようと思います。
全国助産師教育協議会というのは、助産教育機関の代表及び個人が加入している公益社団法人とのことです。


その会長挨拶の中で設立目的と事業について以下のように書かれています。

母子およびその家族の健康支援に専門的に貢献できる助産師の育成を目的に昭和40年に設立されました。
(中略)
本協会議はこれまでの設立目的を引き継ぎ、さらなる助産師教育の向上と発展をめざして平成23年度から以下の3つの公益事業を掲げました。
(1)助産師教育の質の向上・環境整備に関する事業
(2)助産師教育関係者のための研修事業
(3)助産教育機関相互の協力及び国内外の関連団体の協力と連携


助産師教育のための団体ということですが、どのような助産師を育てたいかという理念と目的は以下のように書かれています。

<理念>
わが国は少子・高齢社会となり、世界的には情報化に伴って様々な垣根がなくなりつつあります。人間の出生に関わる専門職の助産師教育においてもこの変化は例外ではありません。今日の社会では女性やその家族にとって、人間らしい出産や育児のあり方の本質が問われています
助産師には、変化する社会の中で、変らない命の営みを尊重し、個々を大切にした活動が期待されております。
具体的には、女性や家族を妊娠・出産・育児の主役とし、その代弁者としてまた支援者として、ともに出産や育児をはぐくみ創りあげる助産師が求められています。一方で、私たちの住む地球環境からは、「資源には限りがある」ことを教えられます。
本来、女性の生理的な営みである出産には、シンプルで自然な環境と、適切な技術提供ができる助産師が必要とされています。その上で、リスクの存在に応じて、適格に医療との連携や、協同のできる助産師の活動が求められています。
本会は、これら時代のニーズをくみ取り、女性中心の対応ができる助産師の育成を目指す団体です。

冒頭の表現から理解できない文章です。
また、「人間らしい出産」って何でしょう?
「出産や育児をはぐくみ創り上げる」ってどういう意味でしょう?


臨床で求められる助産師は、「根拠に基づく医療」「周産期医療チームの一員としての役割」「医療のリスクマネージメント」が理解できることだと私は考えています。

<目的>
1.女性と家族がより安全で快適な出産ができるように支援します。
2.正常な出産の専門家である助産師教育の質の向上を図ります。
3.助産師の継続教育を行います。
4.産む人の健康増進・教育に協力します。

助産師教育のための団体の目的であれば、1と4は対象が違っているのではないでしょうか。
また「お産は終了してみないと正常かどうかわからない」というのが科学的、合理的な考え方であり、それを理解できる助産師を育成して欲しいと思います。



教育の現場が何してんだか... - 助産院は安全?で紹介されているtadano--ryさんのコメントを引用します。

順番がおかしいのだと思います。学校はまず知識と技術を教える場なのに、その前に哲学や思想を教え込もうとするからおかしなことになります
(中略)
価値観、倫理観や哲学思想というものは仕事も含む日々の生活の中から勝ち取るものであり、教え込むものではないでしょう。もし教えるなら「こういう考え方もある」という知識だけ十分で、価値判断は個人にさせればいいのです。


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